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【いま大人がこどもにできること(49)】 スマホから本に回帰し始めた子どもたち

7/17(月) 17:30配信

ニュースソクラ

スマホを使い倒して、限界を知る新世代

 スマホが発売されたのが2008年だから、そのとき生まれた子がいまの四年生で、だから四年生から新しい文化が始まってるんだよ~、といういつもの話をしていたら、そういえば……といま四年生の少年の親御さんの一人がこういう話をしてくれました。

 なんでも、おまけつきのなにか、をコンビニで売っていて、そのおまけのなかのレアものが発売される……というニュースをききつけて、ちょうど四年生になる息子があした発売、という晩になにやらネットで検索しはじめた……。

 世の中には素早い人がいるもので、そのレアものをゲットして、入っている箱はなんグラム、ということをブログで書いてるのを見つけた……。
 で、お父さん、一緒に来て~、といって、小さいはかりをもってコンビニに連れていかれ、そこにある箱を全部はかってその重さのがあったので買って帰った……。
 で、めでたくレアものゲット……したそうな……。

 いやぁ、なんというか、びっくりしましたよ、と……。

 あっはっは、情報、使いこなしてるねぇ。

 こういう発想はいままでの私らにも、子どもたちにもなかったと思う。
 確かに物が違うんだから重さは変わるはずだけど、何が入ってるのかな、と振って音を聞くことはしたと思うけど、重さをはかる?!
 なんて思いもつかなかったよねえ?

 で、この四年生が新しいスマホ文化の一年生なわけで、それが一年ごとにもっと確定していってます。
 今年の一年生は、生まれたときからスマホを使い倒して、できることとできないことがある、ということを知っていて(案外40代前後の大人のなかに、パソコン万能感を持った人がいる気がする。小学校で、ネットで調べろ、といっちゃう先生って、たいてい40代なんです……)そろそろ、スマホは役に立たない箱、といって、本に戻ってきそうな気配があります。

 去年まではそういう話は聞かなかったのに、今年は何校もの司書さんから、まだ図書館の授業始まってないのに、ガイドもされてないのに一年生が堂々と図書館にやってきた……という話を聞きました。
 当然のように棚の間を歩き回って物語やクイズや昆虫ではなく、まだ読めないけどなぁ、といいながら“ニュース年鑑”や“宇宙”の本を見ている……。

 レアもの入りの箱の重さは本には書いてない……。
 でもネット検索してすべてが出てくる訳じゃないということがわかっているような感触があるのよ。

 彼らはもうネットやパソコンを特別だなんて思ってない。
 まあそりゃそうだ……。
 いまや、宇宙空間に人がいるのは当たり前で、ロボットがいるのも当たり前で、テレビ電話も生まれたときからあるんですからね……。
 世界中、スカイプで繋がることができるんだから……。

 今年の問題は、なのに学校の司書さんの方や私のような本の紹介者の方が全然子どもたちに追いつけず、そういう一年生に出せる本がたくさんないってことですねぇ。

 いまがチャンス!
 だと思うんだがなぁ。自省も込めて。

■赤木 かん子:いま大人がこどもにできること(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。
高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。
著書多数。

最終更新:7/17(月) 17:30
ニュースソクラ