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大手商社、インドで日系向け工業団地拡大 車部品メーカーの進出機運高まる

7/17(月) 15:11配信

日刊工業新聞電子版

■道路建設計画、インフラ整備進むインド

 日系商社によるインド南部での工業団地の着工が相次いでいる。住友商事と双日はチェンナイ市のタミル・ナドゥ州で工業団地を建設、2018年中に稼働を始める。インド南部はチェンナイやベンガルールを中心に、トヨタ自動車や日産自動車が進出。今後は部品メーカーの立地が想定される。住友商事や双日は、10年ごろから先行して工業団地の建設を計画。法制面などの障壁が高く、当初計画から遅れたものの、ここに来て動きだした格好だ。

 住友商事はインド南部のタミル・ナドゥ州チェンナイ近郊で「マヒンドラ工業団地チェンナイ」を着工し、販売を始めた。投資額は75億円で、18年秋の稼働を目指す。同団地は全体で260ヘクタールの開発を計画し、現在販売しているのは第一期の107ヘクタール。住友商事がインドで工業団地を販売するのは初めてで、日系企業を中心に20―30社の入居を見込む。

 双日も同じくタミル・ナドゥ州に「双日マザーサンインダストリアルパーク」を建設している。当初は15年ごろに完成する計画だったが、認可の取得に5年掛かり、16年に着工した。面積は約75ヘクタールで、18年春にも稼働を始める見通しだ。

 両社が工業団地を開設するタミル・ナドゥ州は南部を中心に205社の日系企業が進出し、企業数ではインドで2番目。

 住友商事が立地する州北部のポネリ郡は立地企業は少ないが、主要港が2港ある。双日が立地する州南部には日産のほか、独ダイムラーや米フォードなどが進出している。住友商事海外工業団地部第二チームの福田繁夫チームリーダーは「道路の建設計画もあり、さらにインフラ整備が進む」と今後の発展に期待を寄せる。

 住友商事、双日ともに中小企業の進出をにらみ、現地に駐在員を置き、進出の手続きや操業を支援する体制を構築している。

 今後、日系企業の進出により、工業団地の需要も拡大するとみられるインドだが、双日の上原敦産業・都市基盤開発部開発第一課長は「用地買収や許認可の取得が非常に難しい」と話す。インドは連邦法と州法の二重構造と法体系が複雑で、登記がなく土地の所有権があいまい。インド進出では、多くの企業が苦労している。

 住友商事はインドのマヒンドラワールドシティデベロッパーズと連携し、認可を約1年で取得した。マヒンドラはチェンナイで工業団地を運営しており、スピーディーな認可取得につながった。

 インドで工業団地を開発するには現地企業と組むことが必須だが、計画をスムーズに進めるためには、パートナー選びが進捗を左右することになりそうだ。