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[社説]最低賃金7530ウォン、後続対策がカギ

7/17(月) 8:24配信

ハンギョレ新聞

 韓国で来年の最低賃金が時間当り7530ウォン(約750円)と決定され「最低賃金1万ウォン」時代が現実化している。文在寅(ムン・ジェイン)政府の「2020年達成」公約を守るには、毎年15.7%ずつの引き上げが必要という計算が出てはいた。それでも、最近5年間の平均引き上げ率が7.42%で、物価上昇率が年1~2%台であることを考慮すれば、引き上げ率16.4%は破格の数値だ。16日、政府は直ちに支援対策を出したが、小商工人や零細中小企業側は困難を訴えている。対策の緻密な施行と時給1万ウォンまでの中長期ロードマップが必要になるだろう。

 今回の最低賃金決定は、種々の面で以前とは違った。ほとんど毎年、最低賃金委員会の終盤には、労働者側または使用者側の委員が反発して退場し、公益委員が審議促進区間を提示して決めることが繰り返されていた。今年は中間に陣痛があったが、労使が最後まで共にして委員全員の投票で決めた。2008年以後9年ぶりだ。当初は両側の間隙は大きかったが、15日夜の最終修正案で労働者側7530ウォン、使用者側7300ウォンになり、230ウォンまで間隔が狭まったことも注目に値する。5月の大統領選挙では、すべての主要候補が時期には差があるものの「1万ウォン」を約束したことに続き、韓国社会で最低賃金問題に対する共感が広まったと見ることができる。労働者側委員が積極的に小商工人や零細業者対策を要求するなど、最低賃金が「乙(弱者)と乙」の戦いになってはならないという議論が広がったことも成果だ。

 もちろん時給7530ウォンは、月157万3770ウォン(月209時間、約15万7千円)で、単身世帯の標準生計費月額216万ウォンに比較すれば不十分だ。「人間らしい暮らしが可能な水準としても」最低限の賃金である最低賃金が、使用者の状況を中心に決定されてはならない。だが、最低賃金未満の労働者の68.2%が、小商工人と10人未満の零細中小企業に集中しているという現実もまた無視できない。

 政府は彼らの負担を最小化し雇用減少を防ぐために、最近5年間の平均引き上げ率を上回る人件費引き上げ分を直接支援するとして、これを3兆ウォン(3千億円)と推算した。200万人以上の規模だ。ここにクレジットカード手数料の改善など、各種の不公正行為是正で1兆ウォン以上の効果も期待している。問題は、持続可能性とこうした政策がまともに効果を上げて産業構造を変えられるかどうかにある。政府の直接支援で、彼らが急激な費用増加に適応し体質を変える時間を稼ぐことは必要だが、無制限に続けることはできないためだ。

 最低賃金の引き上げは“噴水効果”を起こし、所得主導の成長を牽引し、所得両極化を減らす効果があるという研究が少なくない。実際このような効果が出るには、政府が今回こそは商店賃貸借公正化、フランチャイズ合理化など、根本的構造を解決するという姿勢で臨まなければならない。最低生計費の客観的算定と業種別差別支援など、最低賃金の算定および決定方式に対する改善議論も始める時だ。

最終更新:7/20(木) 0:15
ハンギョレ新聞