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財政投入で中期・零細企業の負担を減らす…所得主導の成長に向けて始動

7/17(月) 11:43配信

ハンギョレ新聞

最低賃金16.4%引き上げに伴う対策  中小企業・小商工人に総4兆ウォンを支援 キム・ドンヨン副首相「成長の好循環のモメンタム」  最低賃金の引き上げ分を納品単価に反映するなど 経済民主化政策を多数盛り込む

 政府が最低賃金の大幅引き上げに伴う零細小商工人・中小企業支援対策を発表したことで、文在寅(ムン・ジェイン)政権の主な経済政策である所得主導の成長に本格的なエンジンがかかった。

 政府が16日に発表した「最低賃金の引き上げによる負担の緩和に向けた小商工人・零細中小企業支援対策」は所得主導の成長や経済民主化政策のシグナルと言える。前日、最低賃金委員会が決定した2018年最低賃金は今年より16.4%引き上げられた時給7530ウォン(約750円)で歴代4番目に大きい上昇幅を記録した。キム・ドンヨン副首相兼企画財政部長官は「最低賃金の引き上げと雇用や家計所得の拡充を通じた内需の活性化が、再び経済成長の好循環構造として復元される所得主導の成長の大きなモメンタムになるだろう」とし、「最低賃金の引き上げと政府の支援対策を結びつけることで、潜在成長率の向上に寄与する」と述べた。政府は賃金の引き上げによる負担分に対する直接支援に3兆ウォン(約2974億円)、公正な取引秩序の確立と経営支援などの間接支援対策に1兆ウォン(約991億円)など計4兆ウォン(3965億円)以上の財政を来年予算案に反映して投入する計画だ。

 今回の対策で最も目を引くのは「雇用安定資金」支援だ。通常の最低賃金引き上げ分を上回る人件費の負担については、政府が財政を投入し、直接支援するということだ。零細小商工人と中小企業を対象に、最近5年間の平均値上げ率7.4%を超過した9%を政府が負担するものだ。コ・ヒョングォン企画財政部1次官は「最低賃金の引き上げの影響を受ける30人未満の零細事業場の従業員を約218万人と推定している。彼らを対象に支援した場合、3兆ウォン規模になるだろう」とし、「最低賃金引き上げ分に対する直接支援政策は今回が初めて」だと説明した。

 これと共に、政府は1兆ウォン以上の財政をつぎ込んで零細企業・自営業者の経営負担を減らす直・間接支援策もまとめた。カード手数料引き下げの適用の拡大や、マンションの警備員など60歳以上の労働者の雇用を維持する事業者に対する「雇用安定支援金」の拡大、零細事業場の社会保険料を支援する「ドュルヌリ(ユビキタス)事業」の拡大などだ。飲食業者などが原材料である農水産物を購入する際に適用される擬制買入税額控除の控除率を高め、小商工人と自営業者に対する医療費・教育費税額控除の範囲を拡大するなど、税制上の恩恵を通じた間接支援策も含まれた。

 政府は今後、関係省庁と合同でタスクフォース(TF)を組織し、具体的な支援基準などをまとめる計画だ。企財部の関係者は「4兆ウォン程度の財源は、現在の税収推計などを考慮し、来年予算案に十分に反映できる水準であり、これまで雇用労働部などで実施してきた雇用奨励金支給などの人件費支援事業があるため、伝達体系を完全に新しく構成する必要もない」とし、「不正受給を防げるようきちんと設計する」と説明した。

 今回の対策の一軸である「公正な取引秩序の確立」と「経営環境の改善や競争力強化への支援」にはこれまで論議されてきた経済民主化政策が大幅に盛り込まれた。商店賃貸借における保護の拡大、加盟店・代理店主に対する保護の強化、大手企業の参入規制、納品単価の現実化などである。政府はこれを通じて、中小企業と小商工人に転嫁された最低賃金上昇に対する負担を、大手企業と分担できるようにする計画だ。飽和状態の自営業市場を勘案し、廃業した小商工人を賃金、労働者や有望分野の創業の方に誘導する自営業の構造調整に向けた内容も対策に含まれた。

 チョン・ソンイン弘益大学教授(経済学)は「今回の対策は、最低賃金の引き上げや経済民主化を分配の観点だけではなく、新しい成長戦略としてアプローチしている点で肯定的」と評価した。チョン教授は「政府の財政支援は一時的にならざるを得ない。重要なのは、財政支援が終了する前に、いかに早く韓国経済の構造が財閥・大企業の略奪的構造から脱し、公正な市場秩序を確立して所得主導の成長ができる環境を作れるかだ」と話した。

ホ・スン、パン・ジュノ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:7/17(月) 11:43
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