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沖縄のサンゴ脅かす「白化」なぜ起きる? 色は生きるための「秘策」

7/17(月) 7:00配信

沖縄タイムス

 夏がやってきました。沖縄の海を彩るサンゴは、たくさんの生き物たちのすみかにも、えさにもなる、大事な存在です。そんな沖縄のサンゴの多くが今、死んでしまったり弱ったりして大変です。「白化」と呼ばれる現象です。白化はなぜ、どのようにして起こるのでしょう?  サンゴの元気は取り戻せるのでしょうか?  サンゴの生態に詳しい琉球大学理学部准教授の中村崇さんに教えてもらいました。

【図解】共生藻って何? サンゴ白化の仕組みは?

 ◆サンゴの色、実は透明

 元気なサンゴの枝の表面を顕微鏡で見ると、茶色い粒がたくさん見えます。サンゴの色ではなく、サンゴの体内に多くすむ「共生藻(褐虫藻)」という小さな生き物の色です。サンゴそのものの体の色は、実はほとんど透明です。

 共生藻は、サンゴがはき出す二酸化炭素やアンモニアを取り込み、太陽の光を使って酸素や脂質、アミノ酸に変えます。「光合成」です。サンゴは共生藻が作った酸素やエネルギーを利用して成長します。サンゴと共生藻は、自分に不要な物を相手に必要な物にリサイクルする「共生」の関係です。

 海水の栄養分が少なく、豊富な太陽光が注ぐ暖かい海で生きるために、サンゴが生んだ秘策です。中村さんは「サンゴが元気でいるためには、共生藻が元気でないといけません」と話します。

 ◆海水温の上昇が引き金

 共生藻がサンゴの体内からほとんどいなくなり、透明なサンゴの体の奥の白い骨が透けて見える過程が「白化」です。海水温が30度を超える状態が数週間続くと、沖縄にすむサンゴの多くから共生藻が減り始めます。

 中村さんの実験では、サンゴに害のない水温26度でも強い光を浴び続けると、サンゴは次第に触手を引っ込め、口から共生藻をはき出します。30度を上回ると弱い光でもこうなり、5日後はすっかり白くなります。

 白化したサンゴは、共生藻の激減で酸素やエネルギーを十分得られず、栄養失調状態になります。その結果、死んだり、生き延びても成長が遅く、元気な卵や精子を作れなくなります。

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最終更新:7/27(木) 16:30
沖縄タイムス