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1万円でおつりが来る画面比4:3の7.9型Androidタブレット「BLUEDOT BNT-791W」

7/18(火) 6:00配信

Impress Watch

 BLUEDOT「BNT-791W」は、8型のAndroidタブレットだ。iPad miniシリーズと同じ4:3のアスペクト比で、メモリ1GBモデルで8,980円、2GBモデルでも9,980円で購入できるリーズナブルな価格設定が特徴だ(7.9型4:3液晶搭載、1万円のAndroidタブレット参照)。

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 アスペクト比が4:3のタブレットは、紙の書籍の縦横比に近いことから、一般的に電子書籍の表示に向くとされる。8型クラスの製品ではiPad miniシリーズやZenPadの一部モデルが挙げられるが、価格は3万円以上することがほとんどだ。本製品はこれらと同じ画面サイズ、アスペクト比でありながら、1万円でお釣りが来るなど、コストパフォーマンスの高さは圧倒的だ。

 1万円前後で購入できる8型クラスのタブレットとしてはほかにAmazonの「Fire 8 HD」があるが、こちらはアスペクト比16:10とワイドサイズであり、また対応する電子書籍ストアも実質Kindleストアのみだ。本製品は汎用のAndroidタブレットゆえ複数の電子書籍ストアを利用でき、アスペクト比4:3であることから見開き表示にも適している。さらにHDMIによる外部出力にも対応するなど、付加価値も高い。

 ただしCPUなどのスペックはエントリーレベルであり、また画面解像度も1,024×768ドットと高くはないことから、実際にどの程度使えるのかは気になるところ。今回は6月に発売されたメモリ2GBモデル「BNT-791W(2G)」の市販品を用い、「iPad mini 4」や「Fire 8 HD」と比較しつつ、電子書籍ユースでの実用性について見ていこう。

■エントリークラスのスペック。CPUは現行のFire HD 8と同じ

 まずはサイズが近い前述のタブレットとスペックを比較してみよう。本製品はメモリ1GBモデルも存在するが、ここでは2GBモデル「BNT-791W(2G)」を前提に紹介する。

 この表からわかるように、スペックはあくまでも最低限といったところだ。なかでも1,024×768ドットという解像度はiPad miniの初代モデル並であり、現行のiPad mini 4やZenPad 3 8.0と比べると見劣りする。

 また本体はやや厚みがあるほか、重量も337gと軽量と呼ぶのは難しい。上記の表にはないが、Webカメラは前面30万/背面200万画素ということで、とりあえず載せるだけ載せてみました、というレベルだ。

 もっとも、見るべき点もいくつかある。驚くべきなのは、この価格でありながら、HDMIによる外部出力に対応していることだ。ケーブル1本あれば電子書籍や動画などを外部ディスプレイに出力できることから、Fireシリーズなどでは不可能な使い方が可能になる。このほかmicroSDスロットを搭載しているのも、自炊データを扱うのに重宝する。

 そして、MT8163(1.3GHz、クアッドコア)というCPUは、じつは現行モデルのFire HD 8(第7世代)とまったく同じだ。つまり比較相手がiPad mini 4やZenPad 3 8.0だと不利だが、エントリークラスのタブレットと比較した場合は、それほどでもないということになる。さらにWi-Fiが5GHz帯に対応しているなど、ひとくちにエントリーモデルと片付けられない仕様も見受けられるのがなかなか興味深い。

■購入時点でAndroidのセットアップが完了済み

 本製品は国産ということで、日本語の取扱説明書が付属する。それも電源の入れ方だけを記したペラ1枚の簡易な内容ではなく、各部名称からセットアップ、操作方法、トラブルシューティングまでしっかり記された約30ページほどのボリュームなので、初心者にも優しい。付属品についてUSBケーブル、AC変換アダプタと一般的だ。

 筐体は樹脂製で、高級感こそないものの、決して成形がチープといったことはない。ただし画面がベゼルから少し奥まった位置にあり、斜め方向から見るとベゼルと段差があるように見えること、また本体正面を覆っている透明のパネルは端のほうが若干波打っているなど、やや価格相応なところもある。

 ちなみに画面を覆うパネルはプラスチック素材で、ゴリラガラスなどと違って傷にはあまり強くはなさそうだ。

 さて、本製品でまず最初に驚かされるのが、パッケージから取り出して電源を入れた時点で、いきなりAndroidのホーム画面が表示されることだ。通常であれば、言語の選択からWi-Fiの設定、そしてGoogleアカウントの登録といった流れでAndroidのセットアップが進み、すべての項目を入力し終えて初めてホーム画面が表示されるわけだが、本製品はまるで使用中のタブレットを借りてきて電源を入れたかのように、いきなりホーム画面が立ち上がる。

 もちろんこの時点では、Wi-Fiの設定、Googleアカウントの設定、パスワード設定は一切行なわれていないので、これらを1つずつ行なうことで、初めてAndroidタブレットとして使えるようになるわけだが、ウィザードを経ずにいきなりホーム画面が表示されるのは斬新だ。本製品の主要ターゲット層と考えられる初心者には親切な仕様だが、Androidの設定経験が豊富な人ほど戸惑いそうだ。

■電子書籍ユースは使い勝手に支障なし、解像度が許容できるか

 さて冒頭でも述べたように、電子書籍を読むにあたって、8型クラスでアスペクト比4:3のタブレットは見開き表示にも対応でき、ハンドリングもしやすい特徴がある。電子書籍ユースでは本製品のライバルとなりうるAmazonの「Fire HD 8」は価格こそ同等クラスだが、アスペクト比は16:10で固定ページの表示では無駄な余白も出るほか、基本的にKindleストアしか利用できない。

 本製品はその点、Android 6.0を搭載したピュアなタブレットであるため、Androidアプリを用意しているストアであれば問題なく利用できる。試しに代表的な電子書籍ストアアプリをインストールし、既存のアカウントでログインして購入済みの本をダウンロードしてみたが、問題なく表示することができた。挙動についても、レスポンスが遅くて困ることもない。

 コンテンツのダウンロード時間はどうだろうか。Kindleストアにおけるコミック1冊のダウンロード時間を比較してみたところ、iPad mini 4が10秒、ZenPad 3 8.0が32秒、Fire HD 8が125秒のところ、本製品は46秒という結果だった。OSによって差がありすぎて比較しづらいのだが、同じAndroidタブレットであるZenPad 3 8.0とそう極端な差はなく、実用レベルでとくに支障はないだろう。

 そんなわけで使い勝手については支障はないのだが、ネックになりうるのは、やはり1,024×768ドット(163ppi)という解像度だろう。1,280×800ドット(189ppi)のFire HD 8とは実質的に同等で、単ページ表示では支障はないが、見開きにするとiPad mini 4やZenPad 3 8.0など300ppiクラスの高解像度の端末との差は歴然だ。これを許容できるかどうかで、評価が大きく変わることだろう。

 詳しくは以下の写真で確認してほしい。

 比較写真での各製品の並び順は以下のとおり。なおサンプルは、コミックはうめ著「大東京トイボックス 10巻」、テキストは太宰治著「グッド・バイ」を用いている。

上段左: 本製品(7.9型/1,024×768ドット/163ppi)上段右: 第7世代Fire HD 8(8型/1,280×800ドット/189ppi)下段左: ZenPad 3 8.0(7.9型/2,048×1,536ドット/326ppi)下段右: iPad mini 4(7.9型/2,048×1,536ドット/326ppi)

■バッテリ持続時間はiPad mini 4の実質3分の1程度?

 以上のように、主にネックとなるのは解像度ということになるが、電子書籍以外も含めて、実際に使ってみて気になるところをまとめておこう。

 まずバッテリ持続時間について。メーカーホームページでは3,500mAhという容量だけが記されており、参考時間が掲載されていないが、試しに「AbemaTV」でAbemaニュースを表示したまま放置しておいたところ、4時間45分が経過したところでバッテリが残り15%を切り、バッテリセーバーがオンになった。Wi-Fiオンで常時通信を行なう使い方だと、実質的に使える時間は5時間程度と見てよいだろう。

 ちなみにほぼ同じ条件のもと、iPad mini 4で同様のテストを行なうと、5時間経過後のバッテリ残量は62%と、まだまだ余裕がある。この結果をもって比較すると、バッテリ持続時間はiPad mini 4の実質3分の1程度といったところだろうか。電子書籍ユースであればバッテリがここまで急激に減ることはないだろうが、充電は毎日行なう必要がありそうだ。

 個人的に驚きだったのは動画再生が実用レベルでそこそこ使えることで、さすがに動きの早いスポーツ中継のストリーミング配信では自動的に低画質に切り替わり見られたものではないが、フルHD動画をネットワーク上のNASから読み出してのストリーミング再生などもそつなくこなせる。この価格帯の製品にはめずらしく、Wi-Fiが5GHz帯に対応している(IEEE 802.11a/b/g/n)のも要因として大きそうだ。

 問題となるのはむしろスピーカーで、側面ではなく背面にレイアウトされているため、たとえば布団の上に置いて再生したり、保護カバーで背面を覆った状態で再生すると、スピーカーがふさがれて音がまったくといっていいほど聞こえなくなる。また画面を横向きにするとスピーカーが左右ではなく上下に並ぶため、ステレオで音声を聴くには不適切だ。現実的にはイヤフォンやBluetoothスピーカーを使うことになるだろうが、次期モデルでは改善を希望したい。

 もう1つ、本製品はMicro HDMIポートを搭載しており、ケーブルを別途用意することで、外部ディスプレイへの出力が行なえる。今回試しに「VLC for Android」で再生中のフルHD動画をHDMIで外部ディスプレイに出力したところ、きちんと画面のアスペクト比に合わせて拡大され、余白なしでの再生が行なえた。ケーブル1本あれば外部出力ができるのは大きな魅力で、プレゼンでの利用など、ビジネスユースでも使い道もありそうだ。

 最後になったが、ベンチマークの結果も記しておこう。Ice Storm Extremeによるスコアは「3704」で、Fire HD 8の「3722」とほぼ同等だ。CPUが同じということで、おおむね妥当なスコアだろう。もっともZenPad 3 8.0は「10728」と性能差は歴然としており、価格が安いなりの性能差があることは、認識しておいたほうがよいだろう。同じ理由で、今回よりもさらにスコアが下がるであろう本製品のメモリ1GBモデルは、積極的にお勧めするのは難しそうだ。

■非Kindleユーザーにおすすめできる読書用タブレット

 以上のように、タブレットとしてはエントリークラスに属するスペックであり、とくに画面解像度についてはもうワンランク上がほしいのが本音だ。iPhoneやiPad、また昨今のフルHD解像度のスマートフォンを常用しているのであれば、解像度の低さがストレスになる可能性は高く、これら製品のユーザーにはおすすめしにくい。一度高解像度に慣れてしまうと元の環境には容易には戻れないからだ。

 もっとも、Fireシリーズなどと比較する場合、同等の価格帯でありながら汎用性が高く、かつアスペクト比が4:3というアドバンテージは大きい。

 バッテリの持ち時間についても、過度に電力を消費しない電子書籍ユースでは、そこまでクリティカルな問題ではない。毎日何時間かずつ使い、それ以外はつねに充電しておくという使い方であれば、動画再生機として使う場合も(高画質でのストリーミング再生などを除けば)支障はない。

 もともとアスペクト比4:3のAndroidタブレット自体、選択肢がほとんどなく、同等品を探そうとしても候補がないのが実情だ。3~4万円の予算があるのならZenPad 3 8.0などを選んだほうがトータルで満足感を得られるだろうが、予算的にはFireシリーズと同額程度しか出せない条件下で、電子書籍用のタブレットをリビングやベッドサイドに1台追加したいと考えているユーザーには、格好の選択肢になるだろう。

 とくにKindleストア以外の電子書籍ストアを使っていて、Fireに相当するタブレットを求めていたユーザーにとっては、魅力的な製品と言えそうだ。

PC Watch,山口 真弘

最終更新:7/18(火) 22:22
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