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発売前の本、webで無料公開 新潮社が2週間限定で 覆面作家・ネタバレ・クチコミ… 担当編集者に聞く

7/19(水) 6:50配信

withnews

 「この小説、すごすぎて、いまだコピーをつけられずにいます。恐縮ですが皆様のお力をお借りしたく、発売前に異例の全文公開に踏み切ることにしました」。新潮社が発売前の本をネット上で無料公開したことが話題になっています。2週間限定で公開されているのは、覆面作家「宿野かほる」のデビュー作「ルビンの壺が割れた」です。異例のプロモーションの狙いについて、担当編集者に話を聞きました。

【画像】新潮社員の感想15選(ネタバレなし)。無料公開ページへのリンクもあります。読む前・後でもOK

「結末は絶対に明かさないでください」

 新潮社が14日に公開した特設ページ。「《担当編集者からお願い》「すごい小説」刊行します。キャッチコピーを代わりに書いてください!」というタイトルの下に、こんな説明書きがあります。

 ◇ ◇ ◇

 ここに公開するのは、ある日突然送られてきた、まったく名前の知られていない著者による、刊行前の小説です。

 ものすごく面白く、そして、ものすごく奇怪な小説でした。

 あまりにすごいので、私はいまだ、この作品にふさわしいコピーを書けずにいます。

 よろしければ、この小説をお読みいただき、すごいコピーを書いていただけませんか。

 (ただし結末は絶対に明かさないでください)

 なお、以下からお読みいただける〈キャンペーン版〉は、2017年8月22日に刊行予定の本を2週間限定で事前公開するものです。

 よって、まだ修正途中の原稿であり、2週間が経つと消えてしまうものであることをご了承ください。

 詳しいキャンペーン案内はこの小説本文の後に付しました。

 まずは、この稀有な小説を、ぜひお楽しみください。

 そして、みなさまのご応募を、心よりお待ちしております。

 担当編集者 拝

担当編集者に聞きました

 無料公開されている小説は、覆面作家「宿野かほる」のデビュー作「ルビンの壺が割れた」です。

 すでに「何をいってもネタバレになりそう」と話題になっており、新潮社の文芸書編集部のツイッター投稿はリツイートが1万を超えています。

 ツイッター上では「すごいという感想があふれているので、半信半疑で読んだら、ほんとにすごかった」「結末を知ればまた冒頭から読みたくなる」「申し訳ないけど、何が面白いのかさっぱり」といったコメントが寄せられています。

 どんな狙いで発売前の本を無料公開することに決めたのか? この本の担当編集者である、文芸第二編集部の西山奈々子さんに話を聞きました。

 ――覆面作家とありますが、本当に新人作家なんですか

 「著者の意向により、経歴も含め、プロフィールなどは一切非公開での出版となりました」

 ――発売に至った経緯は

 「ある日突然、原稿が送られてきました。読んだらとても面白かったので、上司にもすぐに読んでもらい、発売を決めてもらいました」

 ――2週間限定とはいえ、発売前に無料でweb公開を決めた理由は

 「無名作家のデビュー作をいきなり発売し、書店店頭で手に取ってもらうことはとても難しいので、発売前にどうにかして話題を作ることができないかと考えました」

 「『読んでもらえたら絶対誰かと話したくなる作品』だと思ったので、とにかくまずは読んでもらえる場を作ろうと。そのときに冒頭の試し読み等では作品の面白さが全く伝わらないと考え、異例の全文公開となりました」

 「また、著者から『完全覆面でご迷惑をおかけするかもしれないので、プロモーションなどについてはすべてお任せいたします』と言ってもらえたことも決め手となりました」

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最終更新:7/19(水) 10:54
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