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「住宅ローン」8つのウワサを検証!夫に借金があるとき、妻だけで借りた方がいい?

7/18(火) 11:10配信

ZUU online

「住宅ローン」の借り入れ基準について、「信用力」の無料診断ツールを開発したフィンテックベンチャーのMFSにインタビューしています。

信用力をアップするコツをお伺いした前編に引き続き、後編となる今回は「住宅ローン」8つのウワサの真偽について、モーゲージスペシャリスト、大越恵美子さんにお答えいただきます。

Q1. 独身女性は借りにくい?
Q2. 「うっかり」でも、支払いを延滞すると、信用力は下がる?
Q3. 一度審査に落ちると通りにくくなる?
Q4. クレジットカードのキャッシング枠は、なくしたほうがいい?
Q5. 夫婦で住宅ローンを組むときは、スペックが高い方の信用力で判断される?
Q6. 夫に借金があるとき、妻だけで借りた方がいい?
Q7. 転職は借り入れ額に影響する?
Q8. 実家がお金持ちかどうかは関係する?

■Q1. 独身女性は借りにくい?

最初にお聞きしたのは「独身女性は借りにくい」というウワサです。

「かつては、銀行が独身女性の借り入れを嫌がる傾向は確かにありました。でも最近の調査によると、独身女性はローンをポジティブにとらえており、マイホームを持つことでより仕事にまい進する人が多いそうです。実際、女性の支払い遅延は少ないという統計もあります。きちんとした購入動機を持っていれば、独身女性という属性が理由で、住宅ローン申請で不利になることはありません」(以下、かぎカッコ内は全て大越さん談)

ここで言う「きちんとした購入動機」とは、「今の会社の仕事が忙しいので職場の近くにこの物件を買いたい」というふうに、話の流れとして違和感がないということ。

「『自分の城がほしい』でもいいのですが、『そのためになぜ、この物件が今必要なのか』、貸し手が納得できるように話せるかどうかが大切です」

「住宅ローンを借りるだけなのに、そこまで説明するの?」とびっくりされるかもしれませんが、理由があります。

前編でも大越さんが説明してくださったように、独身の方は購入した物件を賃貸に回す確率が高いという統計が出ています。このため、銀行は独身の方がローン審査にくると、投資用物件になるのではないか、と警戒するのです。

なぜ、銀行は投資用物件を警戒するのでしょうか。人は経済的に厳しくなったとき、まずカットするのは自分の生活に関わらない部分の出費です。住宅用の物件のローンと、投資用の物件のローンでは、投資用のほうが貸し倒れリスクが高いのです。

そのため、投資用ローンは住宅ローンとは別の商品性となっておりに住宅ローンに比べて金利が高くなります。金利の高さを嫌がり、投資用物件を「自宅」と偽って申請する人もいるため、銀行側としても警戒せざるを得ないのです。

例えば、勤務地からも遠く、今の住まいより狭いワンルームマンションを買う場合「投資物件なのでは」と疑問を持たれてしまうこともあるのだとか。

「あるメガバンクでは、現在の住まいよりも購入物件が職場から遠くなってしまう場合 、投資用ではないか、を結構調べますよ」

「銀行側は要するに、『最終的に、貸し倒れしてしまうリスクがあるのかどうか』というポイントで見ますから、そこを安心してもらう要素を積み重ねていけばいいと思います」

【ウワサの真偽】
A. ウソ

■Q2.「うっかり」でも、支払いを延滞すると、信用力は下がる?

クレジットカードでうっかり口座にお金を入れ忘れてしまい、通信料などの支払いを延滞してしまった。このような経験を持たれている方、意外と多いのではないでしょうか。

お金があるのに「うっかり」というこの事例、ローン審査への影響はあるのでしょうか?

「はい、下がってしまいます。うっかり口座にお金を入れ忘れただけでも、引き落せなかったのは事実ですから『延滞』です」

なんと、厳しい結果に。住宅ローンの審査の場合、本当に「うっかり」なのかそうではないのかを見てくれるところもあれば、審査の直近3カ月以内に、クレジットカードの支払いが1回滞っただけで審査を通さないところもあるのだとか。

「私が住宅ローンの審査をしていた頃に非常に多かったのは、とてもいい属性なのに、携帯電話の支払いを延滞したことで、落ちてしまうケースでした。スマートフォンなどは、月々の引き落としに本体の分割払いが入っていることが多いですよね。これは『割賦払いを1回延滞した』とみなされるのです。1万円程度の引き落とし漏れが発生したばかりに、住宅ローンが 満額借りられなかったケースもありました」

住宅ローンを借りたいのであれば、延滞をした後は、1年、2年といった時間を置いてからローンの申し込みをするのがいいのかもしれません。

あるいは、ローン申し込みの際に銀行に「手元資金はあったのに、このような理由で、うっかり延滞したことがある」と伝えるのも良いそうです。

「金融機関にもよりますが、そこで心証がよくなる可能性もゼロではありませんよ」

【ウワサの真偽】
A. ホント

■Q3. 一度審査に落ちると通りにくくなる?

一度、住宅ローンの審査に落ちると、落ちやすくなる。このウワサはどうでしょうか?

「残念ながら、これは本当です。全国銀行信用情報センター(KSC)をはじめとした『個人信用情報機関』というものがあり、提携している会社はローン審査の際に情報を照会します。この『照会』だけでも記録は残ってしまいます。『審査に落ちたので別の銀行』と、やみくもに審査の数を増やしていくと、照会記録が短期間に多数集中することになり、ますます不審な印象を与えてしまいます。信用照会は、数日前に1度くらいの照会であれば『ほかの銀行も審査したのかな』くらいで、大きな問題にはなりません」

実は、銀行側からは顧客に「信用情報照会をしましたよね」と言ったことは絶対に聞いてはならないんだそう。顧客自身の情報ですから不思議ではあるのですが、それは「目的外利用」にあたってしまうんですね。

借りる側ができる回避策としては、住宅ローンの申請をする際に、担当者に「以前、この銀行に審査を出して、審査は通りましたが条件が悪かったので、こちらに来ました」などと説明しておくことです。

【ウワサの真偽】
A. ホント

■Q4.クレジットカードのキャッシング枠は、なくしたほうがいい?

クレジットカードのキャッシング枠は、特に利用する目的がなくとも、つけている人も多いとは思います。キャッシング枠の存在自体がローン審査に与える影響はどうなのでしょう?

「ローンを申し込んだ方のクレジットカードにキャッシング枠があると、全く使っていなくても、たとえば100万円のキャッシング枠があれば100万円借りているとみなされ、住宅ローンが満額借りられないといったことがあるのは事実です」

と、大越さんから驚きの返答が。

「ただ、金融機関によっては、使っていないキャッシング枠はその一部を利用していると仮定して見る、実際にキャッシングしている金額だけを見る、といったところもあります」

ローン金額など、その方の状況にもよりますので「キャッシング枠はゼロにしたほうが絶対にいい」というわけではなく、ケースバイケース、ということでしょうか。

ただ、利用する予定がないのであれば、キャッシング枠は設けない方が、「信用力」という観点では得策かもしれませんね。

【ウワサの真偽】
A. ホント。ただし、キャッシングしている金額だけを見る金融機関もある。

■Q5.夫婦で住宅ローンを組むときは、スペックが高い方の信用力で判断される?

MFSが開発した信用力の診断ツールでは、年齢や年収を入力することで「信用力」や「借り入れ可能額」の目安がわかります。ただ、入力する項目は1人分しかありません。

夫婦だと、どちらのスペックを入力したらよいのでしょう?

「単独で組むときも夫婦で組むときも、チェックのポイントは同じです。妻については『妊娠、出産で収入ベースが落ちるのではないか』という懸念材料はあるものの、その後も勤務するという確証が取れれば、それほどマイナス要素にはなりません。夫婦の世帯年収で審査をして問題がないと思います。モゲスコアでチェックする場合も、お二人の年収の合算で行ってください」

理由は、「自分の借り入れ可能額+夫の借り入れ可能額=夫婦の借り入れ可能額」には必ずしもならないことです。銀行によっては、連帯債務の場合、妻の年収は半分しかみないといった場合もあります。

「ローンの名義人は、昔は絶対に世帯主でなければならない、という考え方が主流でしたが、今では世帯主でない配偶者でもいいという銀行も増えていますよ」

【ウワサの真偽】
A. ウソ。夫婦の合算で判断される。

■Q6.夫に借金があるとき、妻だけで借りた方がいい?

結婚をしてから夫の借金が発覚……!こんなケースはどうでしょうか?

「『夫に借金がある』と心配をされる方がいます。確かに借金があると、夫が債務者になる場合、借り入れ可能な金額が少なくなるという点で影響を受けます。でも信用力では中身が重要で、例えば奨学金を延滞することなく返済しているケースは問題にはなりません」

借金にも「いい借金」と「だめな借金」があるのですね。だめな借金とはどのような場合でしょう。

「返済に延滞があった場合はだめです。また消費者金融から借り入れしている場合は、たとえ系列会社であっても、それだけで審査から落とすメガバンクもあります。以前、夫婦ペアローンの申し込みで、妻の信用力は問題がなかったのに、夫が借金の延滞をしていたため、住宅ローンが満額借りられなかったケースを知っています」

後から「夫の情報は、なかったことにしてください」はできないので、要注意ですね。また、最近は残価ローンやリボ払いなど、「自覚がない借金」も多くあります。

「『その他の借り入れがありますか』という問いに『ありません』と答えて、実はそうした借り入れがあった場合、お金にだらしないといったマイナスの印象も否めません。また家庭の事情で、『親が住宅を建てたとき、やむなく連帯保証人になった』といったケースもあるでしょう。これも、金融機関としては考慮しないわけにはいきません。こうしたことを含め、ローンを組む前に夫婦でよく話し合っておくのがいいですね」

【ウワサの真偽】
A. ホント

■Q7. 転職は借り入れ額に影響する?

転職後、すぐに住宅ローンを組むことは不利になりがちと言われますが、これも本当でしょうか。

「1カ月分でも給与明細があれば、転職後すぐでも可、という銀行もありますが、条件のいいローンを取捨選択するなら、転職1年後くらいまで待つのが無難です」

大手の企業に勤務していて、今後、ベンチャーなどに転職する場合は、転職前に住宅ローンを組む、借り換えをしておく方法がよいかもしれませんね!

「逆に、零細企業から東証一部上場企業へといった転職の場合は、ステップアップしたことをアピールできるので、転職後に交渉した方が有利になりますよ」

【ウワサの真偽】
A. ホント

■Q8. 実家がお金持ちかどうかは関係する?

前編で紹介した「モゲスコア」では、自己資金があると信用力は変わらないものの、借り入れ可能額は増えるという結果になりました。では、実家からお金を借りられることは、住宅ローン審査に影響を与えるのでしょうか?

「若い世代の方が借り入れたいとき、親からの支援があれば貸し倒れ率が低くなるため『実家の援助が見込める』とアピールすると、借り入れ額が増やせる場合もあります。必ずしもプラスになる、とは限りませんが、『いざというときは親の援助が得られる』という事実は、マイナスになる情報ではありません。担当者からは聞いてくれないので、自分から伝えておくことが大切です」

住宅ローンの審査を受けるときには、書類を記入しますが、その備考欄などで「お金があるアピール」をするとよいのだそうです。

ちなみに他にも何か、借り入れのときに言った方が有利になることはあるのでしょうか?

「低金利の今は、自己資金があっても、フルローンを組んでいる人が多数います。『フルローンを組みたいと思っていますが、金利が低いからそうしているだけであって、他にも資産はある』ということも、マイナス要因にはならないことですから、伝えておくといいと思います」

とにかく「手持ちのお金があること」は言っておいて損はないようですね。

【ウワサの真偽】
A. ウソではない。ただし、関係しない場合もある。

■有利にお金を借りるには「信用できる人」になること

カードやローンの返済実績によって自分の「クレジットスコア」をアップしていくといったアメリカのような信用社会に比べて、私たちは、よくも悪くも「借金慣れ」していません。

住宅ローンは、何となく物件とワンセットになっているイメージがありますが、実は私たちは振り分けられ、信用力という視点で見られています。

大越さんが強調していたように、貸し手にとって最も重要なのは「最後まできちんと返済してもらえるかどうか」という点です。

大きなことは変えられなくても、細部は担当者が判断することもあるでしょう。「心証をよくする」という一見小さなことも、住宅ローンを有利に借り、借り替える秘訣になりそうです。

阿部祐子(あべゆうこ)
出版社勤務(雑誌編集者)を経てフリーに。2009年CFP資格取得。社会、金融、ビジネス系記事、やさしい言葉を使ったファイナンス系の読み物などを手掛けています。

(提供:DAILY ANDS)

最終更新:7/18(火) 11:10
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