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走る姿、一目で才能発掘 後輩記者が石沢隆夫さん悼む

7/18(火) 18:20配信

朝日新聞デジタル

 16日に死去した、陸上男子100メートルの元日本記録保持者・石沢隆夫さん。1972年、陸上専門誌の表紙を早大2年の石沢さんが飾っている。183センチの長身。長髪をバンダナでまとめ、足元に黄金のスパイクが光る。当時を知る人たちは「とにかく格好が良かった」。同年の日本選手権100メートルでは、その頃無敵を誇った神野正英(新日鉄)の5連覇を阻止して初優勝を飾る。

 翌年には10秒1の日本タイ記録(手動計時)をマークした。ただ、卒業後は、競技からすぱっと身を引き、新聞記者の道に進んだ。選手の走り方を見て才能を見抜く力は卓越していて、「将来伸びるのはこっち」と指摘した選手は必ずその言葉通りになった。

 レースディレクターを務めた福岡国際、東京国際女子、横浜国際女子マラソンでは国内外の有力選手が走り、五輪金メダリストも生まれた。記者はその役割を11年に引き継いだが、福岡で男女のエリート大会を同時開催するという石沢さんが口にしていた計画は実現できなかった。

 早大の後輩でもある瀬古利彦日本陸連理事は「選手時代から励ましてもらった。中村清監督が亡くなり、『おまえがしっかりやらないといけないぞ』と。3年後の東京五輪の陸上男子100メートルで、日本選手が9秒台で走る姿を見て欲しかった」と話した。(堀川貴弘)

朝日新聞社