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掟破り「宇良劇場」、自ら後退&突進 名古屋場所に旋風

7/18(火) 20:37配信

朝日新聞デジタル

(18日、大相撲名古屋場所10日目)

 大相撲名古屋場所は連日の「宇良劇場」だ。中日に白鵬に投げられ、9日目には日馬富士から初の金星を挙げた男が、この日は大関高安に初挑戦。負けはしたが、創意工夫を尽くした33秒あまりの間、見るものを自分の世界に引き込んだ。

【写真】高安(上)の右足を取った宇良だが、この後に首投げで敗れる=戸村登撮影

 低く、左へ立った宇良。組まずに、高安から離れる。勢いをつけて当たりにいった。はじける。またぶつかっていった。はじける。次は大関の左足をとりにいった。目的は果たせなかったが、左の下手をつかんだ。下手投げにいくが、174キロの巨体はびくともしない。

 宇良は自分の左腕を引き抜き、高安の右腕をとった。その腕を支点に振り回すと、大関のバランスが崩れた。押し出そうとするが、重い。押し返されたところで、宇良は体を離し、自分からまっすぐ2メートルほど後退。会場はセオリー無視の相撲に「おおー」。盛り上がりは最高潮に。宇良は俵に足がかかると、間髪入れずに助走をつけて突進。一切減速せずに右肩でぶち当たったが、やはり重い。また俵に足がかかるまで下がって、次は右足をとりにいったが、捕まる。この取組で初めて自分から攻めた大関の首投げが決まった。

 テレビで解説をしていた尾車親方(元大関琴風)は思わず、「まるで初切(しょっきり)でしたね」。土俵上で動き回った宇良の相撲を、巡業などで相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する見せ物に例えた。

 宇良は右足を引きずり、ぜいぜい言いながら支度部屋に戻ってきた。「いやー、強かったですね」。自ら下がった場面については、「僕より強い大関に、思いきりぶつかっていこうと思った」と振り返った。一方の高安は「どんな動きにも対応できるようにしてたけど、やっぱり相撲が速いし、柔らかさがある。相当集中してたから、気疲れしました」と話した。

 痛めた右足の状態が心配だが、宇良は11日目の19日、大関豪栄道にぶつかる。大阪府寝屋川市出身同士の対決だ。同市では歴史的な瞬間をみんなで見守ろうと、午後5時30分ごろから市役所本庁玄関ロビーでパブリックビューイングを開催する。(篠原大輔)

朝日新聞社