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蓮舫氏「二重国籍」会見詳報(5)二重国籍者はスパイ? 朝日記者の質問に「一刀両断に『スパイだ』と言うのは非常にせつない」

7/18(火) 20:07配信

産経新聞

 《記者会見開始から40分が過ぎようとするころ、朝日新聞記者から次のような質問が飛んだ》

 --一連の騒動で、自民党や一部メディアから「スパイだ」という言葉もあった。多様なルーツを持った人が日本にたくさん住んでいる。そうした人たちへの心情を含め、どう思ったか

 「ありがとうございます。そうですね、子供はやっぱり親を選べないわけだから…。先ほどご紹介した数字でいって、私も最新の数字を調べて『ああ、こんなに増えてきているんだ』と思ったのは、1年間に生まれる新生児、赤ちゃんのうちの53人に1人のお父さん、お母さんが外国人であるということ。そうすると、その子たちには親を選んで生まれてくることはできないわけで、生まれたときから2つの国籍、2つのルーツを持つようになる」

 「その方たちが22(歳)になるまでに選ばなければいけない。その制度の名の下で、重国籍でいる人たちを一刀両断に『スパイだ』と言ってしまうのは、ある意味、非常にせつないし、もし立法府に身を置く者がそういうことを言っているのであれば、それはスパイだという立証をどういうふうにしていただけるのか。それを言われることによって自分が否定されるような思いを持つ子が、思いを持つ人がいないように配慮をしなきゃいけないんだと思う。その発言は全く共感できない」

 「ただ、私の不安定な発言によってそういう思いをするような発言をする人を招いてしまったとすれば、それは私の反省するところだと思う」

 --排外主義者と対峙している学者らが民進党に蓮舫氏の戸籍謄本などの公表中止を求める申し入れ書を出し、記者会見で「野党第一党の党首として開示しないことが責任では」と主張した

 「そうした申し入れ、いただいた。しっかり読ませていただいて、本当にしっかりした考え方を持っておられるし、この方たちはやはりヘイトスピーチに対して、あるいは排外主義者に対して毅然(きぜん)とした対応でこれまで向き合ってきた姿勢には共感するし、その部分で私たちもヘイトスピーチをなくすための法律もこれまで作ってきた。これからも同じ姿勢で、基本的人権に配慮する、基本的人権を守るための活動は民進党として行っていきたいと思う」

 「マイノリティーの、差別を受けている方たちに寄り添う、その方たちの声をしっかりとくみ上げる、そして共生社会を実現する。それを多様性の象徴でもある私が先頭に立って実現してきたいと、これはとても強く思っている」

 --過失とはいえ一定の責任がある。結果的に違反してしまったことへの見解は。公職を除き二重国籍を容認する案もあるが、公約として掲げる考えは

 「前段の部分においては、公職にある者として反省している。やっぱり思い込んでいた。それが事実と違った。その解消に向けての最善の(対応をしようと)最速で努力してきた。それに関する資料は今回お示しした通りだ。これに関しては、やはりもう深く反省するしかない」

 「後段の部分においては、2009(平成21)年の、民主党時代の話であって、民進党ではまだ議論もしていない。党首である私が今こういう部分で皆さまのお手を煩わせて取材にも来ていただいている。このことがある意味、いろいろとこれから広がると思う。実際に2つ、あるいは3つの国籍を持っておられる、例えば日本の国籍法でどちらかの国籍を選択をしろ(という規定は)、あたかも自由のように思えるが、他方で日本以外の籍、日本以外の国で国籍を抜けることができない制度になっている国もある。わが国の法律でいうと、日本国籍を選択できないという逆の強要を迫る法律という立て付けにもなっていると思うので、このことについて真剣に議論を始めたいと思う」

 「もちろん、始めることによって逆の意見もおありだと思う。多様性といいながら国会議員は重国籍はだめだという判断をしておられる方もおられるかもしれない。ただ私はそうではなくて、いろんな方が多様性を持ってわが国の共生社会をどうやって実現していくことができるか、そのための戸籍法、国籍法はどうあるべきか、これはぜひ考えさせて議論させていただいて形にしたいと思う。時間軸については『いつまで』というのはなかなか今示すのが難しいが、必ずやらせていただきたいと思っている」

 --政治家になる前、タレントとしての活動に台湾のアイデンティティーを個性として使っていた。週刊現代で『父は台湾で私は二重国籍なんです』、朝日新聞で『在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい』、雑誌クレアでは『私の国籍は台湾なんですが』と発言している。これらの記録は先ほどの説明と矛盾するが

 「タレント時代の私が事実の確認や認識、あるいは法的評価を混同して、いくつか今お示ししていただいたように発言していた。今振り返ると、ずいぶん浅はかな発言だったと思っている」

 「他方で、当時私は本名で、蓮舫という名前で、アジアのダブルのルーツを持っているという部分でキャラクターを果たせる形で、タレントであり、あるいはその後はニュースキャスターをして、特に中国や香港、台湾、アジアの問題と日本をつなぐジャーナリストの役割を果たしたいという部分は、これは自分のルーツをもとに際立たせていたこともある。その部分で、ハーフという部分、ダブルという部分を強調したことが、結果として今、法的な評価、あるいは事実関係を含めて齟齬が生じているのは本当に申し訳ない。当時の発言が軽かったと思っている」

 --当時は嘘をついていたということか

 「二重という部分でも、ダブルのルーツという言いぶりだったと思う。あるいは国籍…、台湾ではあるが、当時の日本では中国国籍だったから、そういう部分を発言したことはあるけれども、いずれにせよ、全部、私の中では、ハーフであり多様性があり、2つのルーツ、アジアに拠点を置く活動をしていく立場に自分がなりたいという思いで、それでいくつか強調して話したことがあるんだと思う」

最終更新:7/18(火) 20:07
産経新聞