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中国「養殖工船」竣工 世界初、船上でふ化から成魚まで一貫生産

7/18(火) 18:07配信

みなと新聞

 中国で世界初となるサーモンを船上でふ化、稚魚から成魚まで一貫生産する「養殖工船」が竣工し2日、山東省日照市の日照港を出港した。年内にも同船で中国産サーモンを養殖し、中国国内向けに出荷する計画。同船でサーモン養殖の基礎技術を蓄積し、将来的に洋上の大型基地での大規模生産へつなげる狙い。

 この養殖工船は総トン数3000トン、船長86メートル、幅18メートル、深さ5・2メートルで、船名が「魯嵐漁養61699」。船内には14の養殖水槽、人工ふ化室、種苗実験室飼料庫、自動給餌システムなど養殖に必要な設備の他、成魚の加工場と冷蔵冷凍施設を装備。ふ化から成魚育成、成魚の加工、冷凍まで一貫生産する。

 同船は海洋国家実験室と中国海洋大学、日照市万澤豊漁業有限公司が共同で設立した「日照黄海冷水団緑色養殖研究院」が建造。設計を中国海洋大と中国水産科学院漁業機械機器研究院が担当し、日照市万澤豊漁業有限公司が出資し、日照港達船舶重工で建造した。

 中国農業部漁業局は「同船は超巨大浮沈式イケスと同様の生産能力を持つ上、通常の養殖イケスでは届きようがない深海域から低温の海水を取水して循環養殖するため、低コストで高付加価値な冷水魚(=サーモン)の養殖が可能」と説明する。水質コントロール装置や魚を観測するシステムも搭載した。

 張顕良・中国農業部漁業漁政管理局長は2日の出港式典で、「(同船の建造は)わが国の現代漁業技術発展史上、重大な出来事だ。わが国は深海・遠洋養殖を着実に推進している。養殖業の発展レベルを高め、獲る漁業から、つくり育てる養殖に転換させる上で重要な意義を持つ」とした。中国は将来的に1拠点当たり10万トン、20万トン、30万トンと各生産ロットに合わせた洋上の養殖基地を実現する狙いで、同船を基礎研究船と位置付けている。

最終更新:7/18(火) 19:28
みなと新聞