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亜鉛めっき鋼板、亜鉛高で2000円コスト上昇。高炉など転嫁不可避

7/18(火) 6:04配信

鉄鋼新聞

 亜鉛価格の上昇を背景に、高炉大手などで亜鉛めっき鋼板におけるコストアップ転嫁の動きが本格化している。亜鉛のLME価格はリーマンショック後の急落から回復後、2千ドル前後で推移していたが、2016年度に入ってから上昇基調に。足元は2600~2800ドル程度で推移している。

 高炉メーカーでは、亜鉛価格の上昇は中長期的に継続するとみている。「亜鉛めっき製品におけるコストアップ転嫁が必要・不可避」(関係筋)としており、高炉大手では自動車・電機・建材分野の需要家と既に亜鉛コストアップ分についての交渉に入っているもようだ。
 亜鉛のコストアップ影響は、板厚や目付厚にもよるが、自動車・家電向けでトン当たり約2千円。厚目付材が多い建材薄板分野では影響度合いがさらに大きく、外装建材では4千円程度になるものもありそうだ。円安進行で円ベースのコストが膨らんでいる側面もある。すでにリロールメーカーでは先行して亜鉛分のコストアップ転嫁の必要性を表明して交渉を進めている。
 現在、高炉メーカーは赤字採算からの脱却を掲げて再生産可能なマージン(スプレッド)確保のための値上げを交渉中だ。亜鉛コストアップについては、それとは切り離した「外数」として交渉をしていくとみられる。
亜鉛の需給構造が変化/需要増・供給減で長期タイト化も
 高炉メーカーでは亜鉛価格は高値が続くとみているが、その背景には亜鉛需給の構造変化がある。
 まずは需要面。亜鉛用途のうち、約半分が亜鉛めっき鋼板向けだ。自動車向けや建材向けなどで世界需要は拡大を続けており、需要は伸びている。
 一方で供給面は、鉱山の閉鎖や鉱山会社の減産で、減少しているのが実態だ。15年にはセンチュリー鉱山(豪州)、リシェーン鉱山(アイルランド)など大手鉱山が相次ぎ閉鎖した。また16年にはグレンコア社が減産したことなどで供給が細り、鉱石在庫が減ってきている。
 そうした中で、増産の動きは進みにくい。世界の亜鉛地金生産の約45%は中国だが、中国では環境規制の影響で地金生産は増やせない状況にある。需給両面の要因から亜鉛需給がタイト化する構図になっており、亜鉛価格が高止まりするとの見方につながっている。(一柳朋紀、佐藤創太)

最終更新:7/18(火) 6:04
鉄鋼新聞