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悲願の金メダルへ!デフバレー男子代表がトルコに出発

7/18(火) 19:49配信

バレーボールマガジン

 聴覚障害者のオリンピック「デフリンピック」(7月18日開幕)に出場するバレーボール男子代表は16日、成田空港からデフリンピックの開催地であるトルコのサムスンへ出発した。デフバレー男子代表は1985年ロサンゼルス(米国)大会の銀メダルが最高で、前回2013年ソフィア(ブルガリア)大会は予選全敗だった。出発前に空港ロビーで取材に応じた鹿谷明生監督は「金メダルを狙いたい」と決意を新たにした。デフバレー男子は10チームが、5チームずつ2グループに分かれ、グループ最下位以外の4チームが、決勝トーナメントに進む。日本はイタリア、ベネズエラ、トルコ、ブラジルと同グループで、19日12時半(現地時間)に第1戦イタリア戦を迎える。

 デフバレー男子代表の選手、スタッフ計19人が、悲願の金メダルを目指し、トルコ最大の工業都市サムスンへ出発した。デフリンピックに参加する選手は、聴覚損失が55デシベルを超えているろう者。デフバレーは基本的に音の無い世界でプレーする。大きく頼れるのは視覚のみ。一般の、健常者のバレーボールでは当たり前の様な、選手間の掛け声、監督やコーチの指示、そして観客の声も基本的には聞こえない(注:障害レベルによっては、多少は聴こえる)。バレーのルールやネットの高さは同じだが、試合中の審判の笛が聴こえない。ネットを揺らすなどして選手に気づかせる。

鹿谷監督と選手らが語る

14年から指揮する鹿谷監督は、
「昨年出場した世界選手権(日本は6位)では、もちろん、ヨーロッパ選手権も視察に行って、ライバル国たちのプレーを偵察してきました。トルコ、ロシア、ウクライナが頭一つ抜けている。特にウクライナのバレーが洗練されている」
と警戒するが、準備を重ねてきた。健常者のバレーで使われる、コートの9分割、ネット上を縦横に分割するスロットといった考え方を、デフバレー向けにアレンジして選手たちに叩き込んだ。
「声の連携が無理なので、選手がコート上のスペースが重なり合わない様にとか、限られた時間ではありましたが、連携を深めることができた」
 飛行機に乗る当日まで、Vリーグや大学のチームと練習試合をこなすなど、精力的にこなした。

 主将の狩野拓也選手はデフリンピックに初参加。身長は177センチで、最高到達点が320センチ。エースとしてチームを引っ張る。今大会の意気込みについて尋ねると、
「金メダルを狙います!」
と宣言した。狩野選手は医学部を卒業し、現在研修医1年目として勤務する。研修医は相当忙しいはずだが、
「選手によっては、『そんなお遊戯に参加して』と会社から許可が下りないこともあった。うちの院長が懐が広くて、『行ってこい』と背中を押していただきました」
と所属病院への感謝を口にした。

 チーム最年少の15歳の千原浩平選手(静岡県立沼津聴覚特別支援学校1年)は、今年1月から代表に参加する。身長は164センチと小柄だが、ピンチサーバーとして期待されている。
「ジャンプフローターサーブで貢献したい。(最年少での代表参加について)人生の中でも一度あるかどうか。金メダルを取りたい。また、自分と同じ聴覚障害者と一緒にバレーをする機会がなかなか無いのでこういう機会は楽しみです」
と顔を綻ばせた。

 チーム最年長で46歳の信田光宣選手は、1997年のコペンハーゲン大会から6大会連続の参加となる。経験値だけでなく、188センチとチーム内では高身長とあって、ブロックにアタックと活躍が期待される。
「一戦一戦を大切にして、相手に負けない気持ちで、全員の力を合わせて最高のメダルを取りたい。(個人としては)センターなので、Aクイックを決めたい。そして、セットに2本はブロックを決めたい」
と意気込んだ。46歳と体力的には厳しいはずだが、
「さすがに苦しいですね。でも、この大会のために、食事や体力づくりなどに取り組んできました。若い人たちに負けません」
とベテランならの自信を見せた。

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