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【映像】AP通信独占取材 元東南アジア漁業奴隷の今

7/18(火) 18:14配信

AP通信

ミャンマー/カンボジア/タイ、7月11日 (AP)― AP通信の調査報道の結果、漁業奴隷の生活を送っていた2000人以上が解放されてから2年が経った。人身売買で、故郷から数千キロも離れたインドネシアの僻地ベンジナ島に連れて来られた彼らは、毎日のようにボスに殴られ、1日に22時間近い過酷な労働を強制された。

奴隷島の存在を暴露したAP通信の報道を受けて、インドネシア政府は解放に乗り出した。スクープ記事はまた、強制労働で生産された水産物の流通系を辿り、米国の大手サプライチェーンやペットフードブランドの存在も明らかにした。

解放から2年、その間彼らに何があったのか。新しい生活を始め、幸せや好機を見出した人がいる一方で、人生をやり直そうとしたとき、不名誉や絶望に打ちのめされた人もいた。そのなかから3人の男性の人生がどのように変わったかを取材した。(日本語翻訳 アフロ)

◆ミャンマー

ミャンマー南東部のモン州に住むミント・ナインさん(42)にとって、2015年に生まれ故郷に帰ったときの記憶は、今も生々しく残っているという。

奴隷島に連れて行かれ、自国に帰ることを許されず、死ぬほど殴られ続けた22年間が終わったその日は、解放された喜びと、失われた時間に対する悲しみの両方が入り混じったほろ苦いものだった。

ミントさんは真剣に仕事をしたいと思ったが、体がいうことを聞いてくれないという。建設現場などの肉体労働を試してみたが、インドネシアで経験した脳卒中のような発作で、体の右半分の筋肉が弱ってた。家族の収入の助けになればと小さな喫茶店を思いついたが、開店資金がなかった。

ストレスはほかにもあった。帰国後間もなく、ミントさんは姉と母親の家を出た。ほぼ同い年の養父と反りが合わなかったことも、家を出た理由のひとつだ。

姉のマウリ・タンさんと旦那の1日の稼ぎは、2人合わせても700円足らず。それで子ども3人と、ミントさんも入れた大人3人の生活を賄うのだ。マウリさんは、何があってもミントさんの世話をするという彼女の約束を守っている。

ミントさんは、家にいる今生活は良くなったと強調するが、時々昔を思い出すという。タイ人のボスが、釣り船で働いた時間に対する賃金を支払ってさえくれれば、ミントさんは自分の家を買って、姉を楽にしてやれるのにと思う。

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最終更新:7/18(火) 18:30
AP通信