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関経連・松本会長「関西は交通インフラの未整備部分が多すぎる」

7/18(火) 13:53配信

日刊工業新聞電子版

■ミッシングリンク解消の動き活発に

 関西経済の競争力を阻害する要因の一つとされる、交通インフラのミッシングリンク(未整備部分)。これを緩和する動きが出てきた。阪神高速道路は2030年前後の完成を目指し、関西以西をつなぐ大阪湾岸道路西伸部、大阪中心部から東に伸びる淀川左岸線延伸部の環状道路整備に着手した。道路インフラ改善は陸海空の連携につながり、新たな物流需要を開拓できる。

 関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は、関西は首都圏や中部と比べ「ミッシングリンクが多すぎる」ことを危惧する。関西経済を一段と活性化するためにも、道路だけでなく空港、港湾といった物流インフラの改善と連携強化が焦眉の急だ。空路は関西エアポートが4月、関西国際空港の貨物便着陸料に割引きを適用。環状道路に近い大阪港は、大水深コンテナターミナル整備などが進む。

 電子商取引(EC)の拡大などを背景に、貨物取扱量や物流施設の新設が増加。臨海部と内陸部の間で物流が活発化する一方、車線不足から渋滞が深刻だ。大阪湾岸道路西伸部と平行する阪神高速道路3号神戸線上りは、16―18時台の1キロメートル当たりの渋滞損失額が約1億2300万円と、全国でワースト1位とされる。延伸により玉津インターチェンジ(IC、神戸市西区)―大阪駅(大阪市北区)までの所要時間は、約96分から約64分へ短縮が見込まれる。

 大阪をはじめ関西の交通網が改善する機運に乗じ、新たな物流需要を開拓する企業もある。阪急阪神エクスプレス(大阪市北区、岡藤正策社長)は、タイや中国から欧米向け貨物を大阪港へ輸送し、関西国際空港から再輸出するサービスを8月以降に始める。

 東南アジアなどの工場から欧米へ航空便を使って送る商品に、海上輸送を組み合わせ輸送コストを削減する。空路だけに依存しないため、大型休暇といった航空便の繁忙期も貨物の滞留や遅延を避けられる。同時に、中継地となる大阪や関西の物流需要を創出する。
大阪港や阪神港を使った物流効率化なども期待される。大阪港は世界約600の港を結ぶ。15日に開港150周年の節目を迎えた。

 大阪港の姉妹港、フランスのル・アーブル港を管理するル・アーブル港湾公社のエルヴェ・マルテル最高経営責任者(CEO)は「大型コンテナ船の入港を可能にするとともに、集荷時にトラック運転手が情報を即時に共有できるようなシステム作りが必要」と訴える。道路のミッシングリンク解消を急ぎつつ、陸海空インフラを相互に使いやすくすることも関西経済底上げの力になりそうだ。