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第131回ウィンブルドンReview----大会振り返り

7/18(火) 20:01配信

THE TENNIS DAILY

 ロジャー・フェデラー(スイス)を決して考慮外にしてはいけない。それは明白なことだ。特に彼が記録破りの8度目のウィンブルドン優勝を遂げ、この復活のシーズンに2度目のグランドスラム・タイトルを獲得したあとには。

「長い道のりだった」----フェデラーが記録破りの8度目タイトル獲得 [ウィンブルドン]

 しかしながら人々は、もう彼がグランドスラムで優勝できないのではないか、といぶかった時期もあった。彼は歳をとりつつある。彼は4年半もグランドスラム・タイトルなしで過ごしてきた。〈ビッグ4〉のほかのメンバーがグランドスラム優勝を積み重ね始める中、ランキングで彼らに追い越されていった----まずはラファエル・ナダル(スペイン)に、それからノバク・ジョコビッチ(セルビア)、その後、アンディ・マレー(イギリス)に。

 フェデラー自身でさえが考えを巡らせ始めた。彼は手術で修復した左膝をしっかりと治癒させるため、2016年後半を休養にあてるという思いきった策をとり、結果的にそれが功を奏して、テニス界の頂点に戻るのである。

 まず、フェデラーは1月の全豪オープンで優勝し、グランドスラム・タイトルの“干ばつ“の時期に終止符を打った。全仏オープンをスキップしたあと、ウィンブルドンで、1セットも落とさないまま、決勝で2014年全米覇者のマリン・チリッチ(クロアチア)を6-3 6-1 6-4で倒して優勝を遂げることにより、グランドスラム大会での獲得タイトル数を「19」に伸ばした。

「正直、僕は今年がいい具合に進んでいることに、ものすごく驚いている。自分がいかにいい感じを覚えているかにもね。そしてコート上で、ことがどんなふうに進んでいるか、自分がどんなふうに、より厳しい状況を扱い、管理しているかにも。僕のテニスのレベルが日常的にどのあたりにあるかにも。ここまでよい、ということに僕は驚いているんだ」と、フェデラーは言った。

「おそらくいつの日か、ふたたび素晴らしいプレーができるということはわかっていたが、このレベルまでとは思っていなかった。もし僕が今年2つのグランドスラム・タイトルを獲得する、と君たちに言っていたら、君たちだって笑っていたことだろう。もし僕がそう言ったとしても人々は僕を信じなかったはずだ。僕自身もまた、自分が今年2つメジャー・タイトルを獲るだなんて信じていなかった」

 この131回目のウィンブルドンではほかにもいろいろなことがあった。振り返っておこう。

●ジョコビッチとマレー

 ジョコビッチとマレーの双方が体の問題を抱えることになった。彼らは今、フェデラーがやったように、休みをとる選択肢を考慮している。前年度覇者で世界1位のマレーは、明らかに左腰の痛みに妨げられ、準々決勝で敗れた。ウィンブルドンで3度優勝した経験を持つ世界2位のジョコビッチは、右肘の痛みにより同じラウンドで試合を途中棄権した。

「僕ら双方が、多くの試合、多くの感情、プレーに関する多くのことで非常に長く厳しい一年を過ごした」とジョコビッチは言った。「それが、大いに体に堪えたんだ」。

●ウイリアムズ姉妹

 妊娠中であるため、全仏オープンとウィンブルドンでそうした通り、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がグランドスラム大会に出ないとなると、大会全体の形勢が変わる。そして、皆がそれを知っている。

 セレナの姉ビーナスが37歳にして、ふたたびタイトル候補となっている。ビーナスは、過去6つのグランドスラム大会のすべてで少なくとも4回戦に進んだ、唯一の女子選手なのだ。

 ビーナスは2009年以来となるウィンブルドン決勝に進出し、全豪決勝(そこで妹セレナに敗れた)への進撃がまぐれではなかったことを証明して見せた。彼女は1994年のマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)に次いで年齢の高いウィンブルドン決勝進出者だった。フェデラー同様、彼女のことを終わったかのように記することはナンセンスなのである。

●ムグルッサとオスタペンコ

 土曜日の決勝でのビーナスは、ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)に対し最後の9ゲームを連続で落とす形で消えていった。ムグルッサは、ウイリアムズ姉妹の双方に勝ってグランドスラム・タイトルを獲得した唯一の女性となったのである。

 2016年全仏オープン決勝でセレナを退けたムグルッサは、23歳にして、自分が今後何年にも渡り多くのビッグタイトルを獲得し得るポジションに立つ、恐れ知らずのパワフルな勢力であることを示して見せたのだった。

 その描写に合うもうひとりの女子プレーヤーは、20歳のエレナ・オスタペンコ(ラトビア)だ。先月の全仏で優勝したオスタペンコは、ウィンブルドンでもベスト8に進出することでその実力を裏づけた。

●アメリカ人たち

 アメリカ人男子がグランドスラム大会のシングルスで最後に優勝してから(2003年全米オープン優勝のアンディ・ロディック)、もう14年が過ぎようとしている。しかし、そのうちひとりは、グランドスラム大会でアメリカ人としては2009年以来となる準決勝進出をやってのけた。ジョコビッチを3回戦で倒した一年後、今度は準々決勝でマレーを倒す番狂わせをやってのけたサム・クエリー(アメリカ)である。

「アメリカのテニスはそう悪いわけじゃないよ。評判があまりよくないことは知っている。それはただ、アメリカ男子がグランドスラム大会で優勝していないからだ。でもアメリカは、トップ30に4人の男子を擁している。素晴らしい若い選手たちのグループだ」と、カリフォルニア出身の29歳、クエリーは言った。

「準決勝に進出できたっていうのはすごくいいことだ。僕とそのほかのアメリカ人選手たちが、より頻繁にこんな週を送れるよう願っている。今回のことから、アメリカテニスがちょっとした景気づけを得て、ほかの選手たちも自信を得、グランドスラム大会で先まで勝ち進めることがもっともっと出てくるよう願うよ」(C)AP (テニスマガジン/テニスデイリー)

Photo: LONDON, ENGLAND - JULY 16: Spectators applaud and take photographs as Roger Federer of Switzerland celebrates victory with the trophy on the balcony after the Gentlemen's Singles final against Marin Cilic of Croatia on day thirteen of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at the All England Lawn Tennis and Croquet Club at Wimbledon on July 16, 2017 in London, England. (Photo by David Ramos/Getty Images)

最終更新:7/18(火) 20:01
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