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西高東低打破へ美浦7厩舎がウオーキングマシン導入

7/18(火) 9:41配信

日刊スポーツ

<夏だ!!競馬だ!!>

 今春、栗東に先駆け、美浦にウオーキングマシンが導入された。馬の運動量を確保できると同時に、スタッフに時間的、精神的な余裕が生まれつつある。「マシン1期生」ともいうべき、ロードクエストの半弟ロードトレジャー(小島茂、父プリサイスエンド)が今週の土曜中京でデビュー予定。いきなり成果が見られるか!?

【写真】ウオーキングマシンに馬を入れる厩務員

 西高東低の現状打破へ、美浦が秘密兵器ウオーキングマシン(以下、マシン)を導入した。価格は1000万円以上。約半分をJRAが負担することで、新厩舎に引っ越した(予定も含む)12厩舎のうち7厩舎が導入できた。数種類あるが、直径は約15メートルほど。人間がジムで使うマシンのように地面が動くのではなく、中心から伸びたアームとつながった壁が後ろから迫ってくる形。ビルにある回転扉の大きいもの、といえば想像できるだろうか。

 当方も体験してみたが、基本的スピードの時速6キロでもかなり速く、すぐにジョギングになってしまう。また馬が前後の扉に触れると「ドン」という軽い電気ショックがあると聞き、恐る恐る触れてみると、「ドン」というより「ピリッ」という感じだった。

 マシンを導入した小島茂厩舎では、調教前に約1時間、午後に約10~15分間、歩かせている。師は「育成牧場にはほぼ100%(マシンが)ある。だから馬は慣れている」と言う。時々立ち止まって後ろから壁に押される馬もいるが、電気ショックもあり、ほとんどすぐに慣れるという。そして「曜日や馬によってスピードの変化もつけられるし、こちらの思う通りの運動量が確保できる。(マシンを入れてから)運動量は1、2割増えた」と続けた。引き運動や乗り運動は強い馬づくりのために重要だが、人間の能力には限界がある。これをマシンに任せることによって、平均的に馬に負荷をかけられるようになった。

 一方、人間サイドにも、馬が歩いている間に別の作業ができる余裕が生まれた。「3場開催の週末など、皆、追い掛けられた中で仕事をしていた。それ以外にも冠婚葬祭や有給休暇などもあり、人数、時間はギリギリだった。せかされて仕事をすると労災も起きかねないからね」と時間的、精神的な効果を強調。逆に馬とのコミュニケーションが減るという声もあるが、「それは他で(コミュニケーションを)取ればいいこと」と気にしていなかった。

 今週の土曜中京5R(芝1600メートル、22日)に、入厩以来このマシンで調整されてきたロードトレジャーがデビューする。重賞2勝で、昨年のNHKマイルC2着のロードクエストの半弟。13日にはウッドで兄と併入するなど、仕上がりも上々だ。師も「すぐに効果が出るものではないが、楽しみにしている」と大きな期待を掛ける。「マシン1期生」の走りに、注目だ。【栗田文人】

 ◆美浦トレセン新厩舎(北の杜地区) 約2年前にモデルケースとして、二ノ宮、伊藤大厩舎が新厩舎に引っ越した。そこで出てきた課題などを改善した上で一昨年11月から第1期工事が始まり、総工費約63億円をかけて、今年4月に12厩舎と、調整用馬房1棟、出張用馬房1棟が完成。小島茂厩舎などが5月から順次引っ越しを行っている。2期工事以降も行われる予定だが詳細は未定。既に引っ越しを終えた高橋文師は「風通しが良く、天井も高くて広い。しかも静か。対面式で安心感があるのか馬がリラックスして、カイバ食いが良くなった」と効果を認める。

最終更新:7/18(火) 12:41
日刊スポーツ

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