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誕生日の粋な計らい 全英引退のニック・ファルドが1日限りのカムバック

7/19(水) 7:32配信

ゴルフ情報ALBA.Net

<全英オープン 事前情報◇18日◇ロイヤルバークデール(7,156ヤード・パー70)>

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海外男子メジャー第3戦「全英オープン」公式練習日のスタートリストに、唯一今大会出場選手ではない名前があった。ディフェンディングチャンピオンのヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、アーニー・エルス(南アフリカ)と同組に名前を連ねたのは、2015年のセントアンドリュース大会を最後に「全英オープン」を引退したニック・ファルド(イングランド)だ。この日迎えた60歳の誕生日を記念した大会からの粋な計らいで、多くのギャラリー声援を浴びながら18ホールを回った。

9時ちょうど。1番ティを取り囲むスタンドには火曜日の練習ラウンドとは思えないほどのギャラリーが詰めかけていた。主役の到着前には月曜日に返却されたばかりの優勝トロフィ・クラレットジャグがティグラウンドに設置され、準備完了。エルスに続いてファルドが姿をあらわすと、大きな拍手に包まれた。

ほどなくして、一部のギャラリーが歌いだす。「ハッピーバースデートゥユー、ハッピーバースデー、ディア・ニック♪」。ファルドも満面の笑みで応え、「わたしも60歳になった。これで、なんでも自由なことができるよ!」と笑いながら、クラレットジャグを持ち去るパフォーマンスでギャラリーを沸かせた。同伴者がジャスティン・ローズ(イングランド)に変わった最終18番ホールでも、スタンドからハッピーバースデーの大合唱。リンクスで37度戦って3度の優勝を誇る“サー”ニックに、暖かい誕生日プレゼントが送られた。

ホールアウト後は18ホールの感触を噛みしめながら、これまでの全英キャリアを振り返った。

「(ロイヤルバークデールで行われた)83年の全英オープンはアメージングの一言だった。初日を連続ダブルボギーでスタートしたけど、最終的には68でホールアウトした。最終日の残り9ホールですべてが水の泡となった(8位タイ)。大会が終了してからスイングを作り直さなければならないという結論に至った。ベターなゴルファーになり、オープンに勝てるようになるためのスイングを作る必要があったんだ」

「1992年、わたしにとって最後の全英オープンの勝利は、最も疲れ果てながらたどり着いた。4打のリードがあったはずなのに、14番でリーダーボードを見たら2打差で首位を追いかける展開になっていた。『残り4ホールは、人生最高 のプレーをしなくては勝てないぞ』と言い聞かせて、そしてそれが実際にできた。もし負けていたら、自分の心に残る深い傷になっていただろう」。難関ミュアフィールドで手にした2度目のクラレットジャグだった。

スウィルカン・ブリッジで別れを告げたはずのリンクスとの戦い。誕生日一日限りのカムバックは偉大な経歴を振り返るキッカケをもらった60歳のファルドにとっても、その雄姿を再び目にした地元ギャラリーにとっても幸せな18ホールとなった。

(撮影:岩本芳弘)<ゴルフ情報ALBA.Net>