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全国、九州を跳び、駆ける 屋我地ひるぎ学園 陸上競技で躍動 小規模校が個の力示す

7/19(水) 5:00配信

琉球新報

 部員は6人でも個人では負けない―。沖縄市の県総合運動公園陸上競技場で15、16の両日に行われた陸上の県中学校夏季競技大会で、名護市の小中一貫校・屋我地ひるぎ学園が躍動した。3年の仲松潤一郎は男子共通棒高跳びを4メートル00で制して県勢11年ぶりに全国標準記録を突破し、全国大会へ。そして2年女子800メートル制覇の花田佳乃は九州大会へ。小学生から陸上クラブで磨く選手が多い中、部活動や家族で練習を重ね続ける。練習を支えるのは、ただひたすらに記録を「超えた時がうれしくて」(仲松)。小規模校ならではの楽しさや苦労も経験する10代が、1センチ、1秒の更新へと真夏を疾走する。(石井恭子)


 男子共通棒高跳び決勝。3メートル50から始まり、70、90と20センチずつ記録を伸ばした後、大会では自身初となる4メートルを2度失敗した仲松。土壇場の試技3度目でバーを超えると「今までに味わったことのない感じで、体の中から『うれしい』思いが湧き上がった」。目指していた「必ず全国へ」との思いを有言実行した。

 本来の陸上部は6人の同校。もともと別の部活動をしていた選手も含め、各競技の県中学校体育連盟の大会を終えて、陸上夏季競技大会に全18人の3年生のうち14人が出場した。

 以前はバスケットボール部やテニス部を経験した仲松は、本人いわく「遅刻や授業中のおしゃべりなど生活態度が悪かった」ことに加え、持ち前のスピードや筋力を買われ、経験者の玉城建郎教諭の誘いで昨年11月に練習を始めた。2メートル50から始めて4メートル30の県中学新を狙うまでに力を伸ばす。「成長して(生活態度も)劇的に良くなった。陸上を通して人生が大きく変わったのでは」。3年担任で陸上部顧問の比嘉共樹教諭(43)は振り返る。

 神奈川県から小5で名護市に引っ越した花田は末の弟を除くと、北山高1年の姉を筆頭に中1と小5の妹、指導してくれる父と家族で研さんする“陸上4姉妹”の一家に育つ。陸上部には昨年まで姉と花田の2人だけだった。今春から6人に増え「みんなで応援してくれるから元気が出ます」。

 部活では中長距離で1人だけ違うメニューを自身で律するつらさもある。試合前日には「世陸(せりく、世界陸上)のアリソン・フェリックスとか好きな選手の映像を見て勝つためのイメージをする」。今大会の2年女子800メートル決勝を制した2分24秒81の記録にも納得せず、16秒台で県中学新を塗り替える九州制覇にめらめらと執念を燃やす。「小さな学校なので団体では歯が立たないが、個人なら戦える。学校生活に負けない姿勢も含め、目が行き届く指導ができるのが強み」と語る比嘉教諭。個性派ぞろいの選手らは、今日もグラウンドで汗を流す。

琉球新報社

最終更新:7/19(水) 11:25
琉球新報