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大洗研被ばく 21年前に異常確認 前兆引き継がれず

7/19(水) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(大洗町)の作業員被ばく事故で、機構は18日、原因となった貯蔵容器は21年前の1996年にも点検が行われ、核燃料物質が入るポリ容器の破損や、樹脂製の袋の膨張などの異常が見つかっていたと発表した。今回の事故の前兆といえる重要な情報だったが、現場の作業員に十分に引き継がれておらず、機構のずさんな管理体制が改めて明らかになった。

機構によると、見つかった記録は、今回事故が起きた「燃料研究棟」で96年5~7月に行われた貯蔵容器の点検に関するデータ。ネットワークハードディスクに保存されていた。機構はこれまで、原因となった貯蔵容器は91年に核燃料物質を密封して以降の記録はないと説明していた。

データには「ポリ容器の底に破損」「(容器を包む)袋の膨張」と記載されていた。ポリ容器と袋を交換したことも盛り込まれていた。点検作業者のサインはなかった。

燃料研究棟には当時計64個の貯蔵容器があり、このうち、事故原因となった容器を含め、23個に袋の膨張や変色などの異常が見つかり、袋や容器の更新作業が行われたという。

機構は「今後当時の作業員への聞き取りなどを実施し、情報の信頼性を確認する」としている。

事故は6月6日午前に発生。点検のため作業員が貯蔵容器のふたを開けたところ、核燃料物質が入るポリ容器を包んでいた樹脂製の袋が破裂し、放射性物質が飛散。現場の作業員5人が内部被ばくした。

容器にはプルトニウム酸化物の他に接着剤(樹脂)が混ざっていたことが判明しており、樹脂が放射線で分解されてガスが発生した可能性が高い。 (戸島大樹)

茨城新聞社