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中国の消費市場「ワンランク上の消費が加速」リードするのは1990年代生まれの若者たち

7/19(水) 17:40配信

ZUU online

中国の一人当たり国民総所得(GNI)は大幅な増加を続けている。2012年には、5870ドルだったのが2015年には7880ドルに増加した。1万ドルも視野に入り、政府はすでに中進国の水準に達したとしている。増加した所得はどのように消費されているのだろうか。直近のデータを探りながら、近未来の中国の消費動向を探ってみよう。

■消費傾向、統計局のデータ

まず官製の国家統計局データから。2017年1月~5月までの社会消費品小売総額は14兆2561億元となり、前年比10.3%の伸びだった。ここ2~3年、ほとんど毎月10%前後で極めて安定している。これを信用するかどうかは別として、消費傾向のうかがえるデータを取り上げてみる。

1月~5月のネット通販売上は、2兆4663億元、前年比32.5%の伸び、そのうち実物商品の売上は1兆8798億元、前年比26.5%の伸びだった。ネット通販シェアは実物で13.2%である。これはは日本の約3倍だ。

次に平均伸び率の10.3%を上回る商品群を見てみよう。飲料類(酒類除く)13.3%、家具13.0%、石油及び石油製品12.0%、薬品類11.7%、油・食品類11.6%である。逆に伸びの悪い商品群は、服装・紡織品7.2%、通信機材8.1%、金銀宝石8.2%だった。

■消費傾向、調査会社のデータ

次はカンター・ワールドパネル・コムテックによる調査である。こちらは2016年の対2015年比伸び率で、非常に具体的な商品調査だ。大きく伸びている商品は以下の通り。

浄水器24.7%、ヨーグルト20.2%、空気清浄器19.3%、化粧品15.8%、スキンケア13.1%、蒸留水12.2%、海外旅行10.4%

逆に減少した商品は、ガム12.5%(マイナス幅以下同じ)チョコレート11.4%、糖菓子11.2%、果汁9.3%などだ。

データに見る消費傾向は明らかに、「美と健康」を志向を示している。健康によいヨーグルトが大幅に伸び、甘味のお菓子は減った。残りもみな「美と健康」関連、あるいは豊かな生活に資する商品だ。消費の質は確実に向上を続けている。

■奢侈品市場回復と富裕層

消費の質の向上は、贅沢品(奢侈品)市場の回復からも見て取れる。マッケンジーの「2017年中国奢侈品報告」によると、2016年の国内奢侈品市場は4%のプラスとなり、ここ3年では最高だった。ドイツのHugo Bossは2016年第4四半期に20%以上伸びた。 Burberry 、Gucci、 Bottega Venetaなども明らかな回復を見せている。

2016年、中国では760万の世帯が奢侈品を購入し、その平均消費額は7.1万元(約118万円)にのぼった。年間奢侈品支出は5000億元に達し、世界市場の32%を占めた。今後も年9%ペースで増加し、2020年には36%。2025年には市場の44%を中国人が占めると予想されている。

■主役は90后(1990年代生まれ)

こうした消費のレベルアップについて、某証券紙は次のように分析している。多様化し、変化の激しい消費のキーワードは、美、死の恐怖、愛情の欠乏、の3つである。これらに留意することによって若者の需要を看破できるという。死の恐怖とは、ネット上で反感を買い排除されるリスクのことのようである。

このように消費エネルギーをリードする若者の行動分析は盛んだ。彼らはネット通販やモバイル決済の爆発的普及とともに育った。彼らの周囲には、まったく新しい消費環境が次々に出現する。

例えば消費者ローンだ。今話題となっているのは、アリババ集団のアント・フィナンシャルが提供するAnt check later(花唄)である。これは電子決済の際、500元~5万元の範囲で貸してくれる。アリババ系以外のネット通販でも使えるようになり、急拡大した。花唄の利用者は90后(1990年代生まれ)が33%を占め、80后(1980年代生まれ)まで合わせると全体の48.5%になる。

また先日、BAT(百度、アリババ、テンセント)+ファーウェイという現代中国を代表するネット、スマホ関連4社の社員を分析する記事が出た。それによると4社とも社員の平均年齢は、28~32歳の間であった。仕掛ける方も購入する方もみな若いのである。

中国はシステムも商品もまったく新しい消費社会へ進む過程にある。とにかくワンランク上の高い品質を提供しなければ、とても生き残ってはいけないだろう。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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最終更新:7/19(水) 17:40
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