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<特選アーカイブ>アフガニスタン~公開処刑された女性を追って(12)競技場での公開処刑 写真6枚【玉本英子】

7/19(水) 6:05配信

アジアプレス・ネットワーク

◆死刑執行の日

1987年に設立されたアジアプレスは今年で30周年。7月22日~29日まで東京にて記念イベントが行なわれます。その一環で「ザルミーナ」(2004・監督:玉本英子)を上映します。それにあわせ、過去に取材・発表した記事を特選アーカイブとして掲載します。(イベントにつきましては下欄をご覧ください)

【関連写真を見る】カブール市内のハマム(公衆浴場)にたむろしている売春婦たち

(※2003年初出のアーカイブ記事。情報等は当時のまま)
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公開で刑を執行する、いわゆる見せしめ刑はアフガニスタンでは決して珍しいことではない。

たとえば、窃盗などの罪を犯した者がトラックの荷台に乗せられ、「市中引き回し」にされることはタリバン政権以後の新政府下でもおこなわれている。
子どもたちはこういう様子を目の当たりにしながら「悪いことをすればあんな目にあうのだ」と心に刻んで育ってきた。

見せしめ刑を前近代的と片付けるのは容易だが、日本でも容疑者が逮捕された段階で顔と実名が公表される。メディアは有罪が確定していないのに犯罪者として扱い、容疑者の家族や職場に競って押し寄せる。ある意味では「見せしめ」は、現代の日本でも別の形で存在しているといえる。

ただ、当時のタリバンによる競技場での公開処刑や、バーミヤン大仏爆破(2001年)は、政権の力を知らしめるアピールであったという側面も多分にあった。イスラム法に基づく刑の執行という宗教的な理由以外にも、社会の引き締めや政治情勢といった要因がいくつも重なりあって、「夫殺し、ザルミーナ」の処刑が最終的に確定されていったと推測される。

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1999年11月16日、ザルミーナは死刑執行の日を迎えた。
死刑判決を受けていた彼女だが、この日、自分がこれから処刑されるとは思っていなかった。

幼い子どもがいるから死刑にはされないだろう、とかすかな希望さえ持っていたようだ、と刑務官は証言している。
だが、処刑はすでにタリバン政権によって決定されており、前日の15日には、国営ラジオ放送を通じて、犯罪者の処罰を競技場でおこなうことが発表された。
刑務官シェヒルバヌは、執行の日のようすを話し始めた。

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