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ブロックチェーンにかける将来の取引の信頼性(2)

7/19(水) 22:30配信

ReadWrite Japan

僅かな量の検知がもたらす大きな抑止効果

今のところ、ハッカーが1台の端末に侵入した場合、その端末とつながっているすべての端末へも侵入することも可能だ。だが、ブロックチェーンで守られたP2P(peer-to-peer)の場合、ハッカーはほかの端末を一つ一つ攻略していかなければならず、その膨大な手間をかけてハッキングを達成させなければならなくなる。また1つのシステムのネットワークを侵害したとしても、そのほかのデータは影響を受けないままである。

ブロックチェーンは攻撃後のハッカーの特定を容易に行えるようになるばかりか、ハッカーの手始め段階で阻止することで、目的の達成を難しくさせることもできるということだ。

IoTによって相互に接続された機械の数が膨大であることは、脆弱性というよりむしろ利点ですらある。これらの端末は個々に匿名で相互防衛できるように協力しているからだ。


小さくなるコスト、大きくなる変化

より安全なシステムセキュリティの実現だけでなく、ブロックチェーンの登録はあらゆる産業でのパラダイムシフトを巻き起こす。システム管理が非中央集約型になり、中間者/機能がなくなることで、より早く、より正確な取引が可能になるだろう。エネルギーインフラを例に取ると、メーターの計測が正確になるだけでなく、タイムスタンプが伴うことで争いの余地がなくなる。製造業の場合だと、機械がダウンした場合その時の設定状況で復旧が行われるようになる。それが国際的企業であれ、アーティストの仕事であれ、中間者を介さないP2Pでの取引が及ぼす影響は非常に大きなものになるだろう。

コンピュータの他者との通信や自己防御におけるこのようなパラダイムシフトは、とりわけIoT開発者にとって新たな機会を提供するものだ。データがブロックチェーンの一部となれば、それは実にただのデータにしか過ぎず、APIの必要が無くなり、システムの効率もあがり保守費用も低減できる。しかし全てのシステムをブロックチェーンに対応させる改変作業のためには、技術者たちを忙しい日を送ることになるだろう

なにより重要な点だが、ブロックチェーンのプロトコルはハッキングによって恐れや不安のもととなっているコンピュータシステムに対する、世間の信頼を回復させるものだ。安全で守られたものだということが広まれば、人々はコネクテッドな公的機関を信用するようになり、例えば政府は個人情報をビッグデータとして保持するスマートシティの取り組みなど、よりコスト効率の高い事業を進めることができるようになる。

かつてハッカーは我々には見えない、気づきようのない部分で侵害、利用してきたが、ブロックチェーンはそれらを同じものに見えるように変える。デジタル取引はその信頼性が回復することで、石油や半導体のように我々の生活の基盤となるのかもしれない。

著者はHitachi InsightグループのIoT副社長兼CTOである。日立グループのエンジニアリングやリサーチ、ビジネスチームと協力し、同社のIoTおよびビッグデータ戦略を推し進めている。

彼女は主にデータマネジメントとアナリティクスの分野で25年以上の経験を持ち、情報工学の学位も取得している。専門分野はビッグデータ、IoT、データウェアハウジング、アナリティクス、ストレージ/クラウドだ。また以前はOracle、HP、Ingresといった企業で製品管理/戦略/マーケティングでリーダーシップを発揮してきた。

間違いなく世間を変えるIoTにおけるあらゆる種類のデータについて彼女は着目している。

ReadWrite[日本版]編集部

最終更新:7/19(水) 22:30
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