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モスルで救出されるIS戦闘員の孤児たち、空腹で生肉食べる子も

7/19(水) 10:44配信

The Telegraph

 アミナちゃんは仮設の診察室のテーブルに腰かけ、自分の体の傷を見つめている。ブロンドの髪は絡まり、砂ぼこりがこびりついている。

 3歳か、それより幼く見えるアミナちゃんはイラク北部モスル(Mosul)の旧市街のがれきの中から救出された。イラクの救援部隊がアミナちゃんの小さな泣き声を聞くまで、そこに何日間も閉じ込められていた。

 両親はどこかと尋ねても、「殉教者」になったという答えしか返ってこない。

 アラビア語をほとんど話さないアミナちゃんの親は、戦死したイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のチェチェン人兵士だと、イラクの救援部隊はみている。

 モスルのがれきの中からはここ数日で、死者も含めて数十人の子どもが発見された。生き残った子どもの多くが、自爆攻撃で死んだ、あるいはイラク軍との戦闘で命を落としたIS兵士の子どもだと考えられる。

 イラクのハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相が1週間余り前にモスルでの勝利を宣言したとき、旧市街には最後まで抵抗を続けるIS兵士たちがまだ残っていた。

 米国主導の有志連合軍による空爆は、そうした兵士らを掃討するために行われたが、同時に家屋を破壊し、住民らを閉じ込めた。現地を取材していたカメラマンによると、ある少年は発見されたとき、空腹から地面に落ちていた生肉を食べていたという。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によれば、この3日間で医療施設に運ばれてくる保護者のいない子どもが増加しているという。がれきの中で独りぼっちにされていた赤ちゃんも何人かいた。

 ユニセフのイラク事務所副代表を務めるハミダ・ラマダニ(Hamida Ramadhani)氏は言う。「モスル西部で続く暴力に苦しみ続ける子どもたちがいる。ある医師によれば、子どもや母親、生後1週間の赤ちゃんまでもが、傷を負い、土とほこりに覆われた姿で見つかっている。中には栄養失調の症状もみられるそうだ」

「モスルでの戦闘は終わりに近づいているが、子どもたちが体と心に負った深い傷が癒えるには時間がかかる。この3年間、約65万人の子どもが暴力の悪夢の中で多くの犠牲を払い、多くの恐怖に耐えてきた」【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:7/19(水) 11:27
The Telegraph