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カジュアル化の裏で紳士服メーカーの機能性スーツが需要増

7/19(水) 11:20配信

Fashionsnap.com

 クールビズの普及などに伴い、ビジネスファッションのカジュアル化が進んでいる。今年は伊藤忠商事が「脱スーツ・デー」を導入し、コットン製のスーツやカーゴパンツ、ロールアップパンツなどに加えて、これまでは不可だったジーンズの着用を解禁した。一方で、大手スーツメーカーは“スーツ回帰”の傾向があると分析。今季は通気性やウオッシャブルといった多機能性のある商品を拡充し、多様化するニーズに対応している。

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 今シーズンの主な取り組みとして、AOKIは自宅の洗濯機で洗える「本当に洗えるスーツ」の商品量を前年比1.5倍に拡大し、自転車通勤で便利な機能が付加されている「ACTIVISTスーツ」など着用シーンに応じて豊富なラインナップを用意。はるやま商事では、同社史上最高の通気性を備えた新開発素材「ハイツイストニット」を使用したビジネススーツ「クールビズ・ファイテンニットスーツ」や「超軽量スーツ」など通気性の高い商品を拡充した。青山商事は臭いによるハラスメントを指す「スメルハラスメント」の認知度が高まり、消臭アイテムを取り入れる男性が増えていることを踏まえ、ハイブリッド触媒「ティオティオプレミアム加工」を施した消臭機能商品を拡げるなど、各社で環境に応じてストレスフリーな商品展開している。

 今年の売れ行きについて、AOKIとはるやま商事では前年並みに推移。特に春夏シーズンは消費者から「洗える」「涼しい」という要望が多く届いているというAOKIではヤング、アダルト共に「本当に洗えるスーツ」の売上数が前年比150%と好調で、はるやま商事ではメインで打ち出している健康志向のビジネスウエアが人気だという。消臭機能や防シワ性がある商品が支持を得ている青山商事では、ウオッシャブルスーツの展開数量、売上金額、売上数量が2012年度から約8割増(2016年度)。広報担当者は好調の理由を「自宅の洗濯機で洗って大丈夫なのか?という抵抗感を徐々に取り除いてきた。ビジネススタイルの多様化やアスレジャーの流行、若い世代の合成繊維に対する抵抗感の低さなども後押ししている」と分析している。

 近年は“脱スーツ”の向きが強いが、はるやま商事は「崩し過ぎ」「だらしない」といった行き過ぎたクールビズからの反動に期待を寄せる。「猛暑であってもTPOに沿ってスーツが必要な方は確実にいる」とし、夏場も快適に着用できるスーツのニーズについては高まっていると見る。AOKIも「スーツ需要は根強い」と前向きで、大手各社のイノベーションが業界の活性化に繋がりそうだ。

最終更新:7/19(水) 17:46
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