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吉野ケ里町、高齢者の「聞こえ」支援 携帯型スピーカー導入

7/19(水) 14:29配信

佐賀新聞

地元企業が生産、自宅訪問に活用

 神埼郡吉野ケ里町地域包括支援センターは高齢者と関わる現場で「聞こえ」を支援するスピーカーを試験導入した。これまで窓口に置く自治体はあったが、最新型はバッテリーを内蔵した10センチ大で持ち運びができ、高齢者宅訪問などで活用している。職員がマイクをつけて話し、難聴を抱える高齢者にひずみのないクリアな音声を届け、健康状態や困りごとの把握につなげる。

 スピーカーはユニバーサル・サウンドデザイン(東京)が開発した「comuoon mobile(コミューンモバイル)」。地元の半導体製造佐賀エレクトロニックスが生産を請け負っている縁で、町は3台を無償で借り受けた。

 難聴は音量を上げるだけでは余計に音がひずみ、逆効果になる側面がある。コミューンは音声を明瞭に整え、聞こえやすさを向上させる。難聴者が耳元で叫ばれる際に感じるという不快感もなくし、スムーズな対話につながるという。開発会社主任の宮原神二郎さんは「在宅の医療・介護の現場で正確な意思疎通ができる」と話す。

 町地域包括支援センターによると、聞こえにくさを抱える高齢者は周囲との会話を敬遠し、孤立する状況に陥りやすい。高齢者側が家族や支援者に気を使わせないように配慮した結果、空返事をしたり、認知症と誤解されたりした例もあるという。

 毎月開く「もの忘れ相談会」でも利用している。センターの森直子係長は「話し手側から難聴者に優しい環境を整えていければ」と語る。スピーカーは1台23万8千円。9月まで効果を見ながら購入の可否を協議する。

最終更新:7/19(水) 14:29
佐賀新聞