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産児制限の次は不妊症、子宝望む中国人の受難続く-海外で治療も

7/19(水) 7:56配信

Bloomberg

中国北部に住むチャンさんが不妊治療のため北京家円医院を訪れたのはつい最近だ。38歳になるチャンさんは建設業界で懸命に働いてきた。妻は35歳。ようやく余裕ができたが、子供には恵まれなかった。

チャン夫妻のような不妊に悩む数百万人の中国人が、支援リプロダクティブヘルス市場に目を向けており、同市場の規模は約150億ドル(約1兆6800億円)相当に膨らむ可能性もある。チャンさんは名前を伏せる条件で、取材に応じた。

愛煙家のチャンさんは喫煙も不妊の一因だと考えている。「経済的に楽になり、子供が欲しいのにできない。長年の喫煙や仕事絡みの飲食のつけだ」と話す。体外受精(IVF)1回ごとに10万元(約166万円)支払うとチャンさんは言う。BISリサーチによれば、IVFだけでも中国の市場は2016年時点で6億7000万ドル相当で、22年には15億ドル規模に膨らむと予想されている。

人口14億人の中国はようやく「一人っ子政策」を廃止した。少子化が進み過ぎ、労働力縮小に歯止めをかけるのが狙いだ。だが男性の精子数減少や晩婚化といった問題で、いまだに子供を持ちたくても持てないという状況が続いている。治療を通じ中国人を助け、そして利益を得たいと考えている国内外の企業は多い。

不妊治療を手掛けるオーストラリアのバータス・ヘルスは中国企業から提携のアプローチを定期的に受けるものの、中国での免許取得は難しく、中国の医療ツアー代理店と協力し、患者を豪州とシンガーポールのクリニックに連れてくるのだと同社のスー・チャノン最高経営責任者(CEO)は語る。

米カリフォルニア州ロサンゼルスのビバリーヒルズにあるサザン・カリフォルニア・リプロダクティブ・センターの共同創業者で医療ディレクターを務めるマーク・サリー氏によれば、過去1年間は中国からやってきた患者が全体の約2割を占めた。

米外交問題評議会(CFR)の黄延中シニアフェロー(グローバルヘルス)によれば、ミリリットル当たり精子数は1970年代前半の1億から2016年には2000万に減少。経済発展や公害、晩婚などに伴うストレス増加に加え、喫煙や飲酒も一因である可能性があるという。

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最終更新:7/19(水) 7:56
Bloomberg