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「生息危機のノグチゲラ守る」 元監視員中村さん、東村私有地に営巣木25本

7/20(木) 5:00配信

琉球新報

 【東】環境省レッドリストで最も絶滅の恐れの高い絶滅危惧1A類に掲載されるノグチゲラの死骸が13日に初めて、東村有銘で見つかった。40年以上ノグチゲラを調べてきた元東村ノグチゲラ保護監視員の中村保さん(73)は「今ノグチゲラが一番困っていることは、森の伐採が進んでノグチゲラの営巣木がなくなっていることだ」と指摘する。中村さんは今年「私設ノグチゲラ保護区」として東村平良の私有地にノグチゲラの営巣木・タブノキなど約25本を植えた。何十年、何百年後もノグチゲラが生き続けられるよう「人が努力をし続けないといけない」と強調する。

 中村さんは東村南側の有銘でノグチゲラの死骸が見つかったことについて「もともと有銘や慶佐次川流域にも4羽以内の少ない数だが確認されていた」と話す。その上で「ノグチゲラを南下させる政策を取るべきだ。僕は残りの人生全てをそれに懸けたい」と熱意を見せる。

 村内でノグチゲラが最も多く生息しているとみられる東村北側の高江周辺の生息環境について「あそこはうるさくて大変だから、ノグチゲラは絶対に減る」と危惧する。高江周辺では、米軍北部訓練場に新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)が六つ建設され、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが離着陸訓練を繰り返している。那覇防衛施設局(当時)が2007年に公表した環境影響評価図書では、ノグチゲラは全てのヘリパッド周辺に生息。巣はG地区周辺に13カ所、H地区周辺の16カ所で見つかっていた。

 国の特別天然記念物のノグチゲラは世界中でやんばるにしか生息せず、主に森の奥にあるイタジイの木を営巣木とする。ノグチゲラの営巣木は約15種類あるとされ、中村さんは過去にセンダンやタブノキにノグチゲラが営巣しているのを確認した。これまで主な生息地だった森の奥から、東村有銘や名護市以南でもノグチゲラが生息できる環境を整えていくことが使命だと感じている。

 「100万年以上続いてきた命の連鎖を残していかなくてはいけない。人の努力でノグチゲラは保護することができる」と真っすぐノグチゲラの鳴き声が聞こえる方向を見つめた。(阪口彩子)

琉球新報社

最終更新:7/20(木) 10:49
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