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【台湾】誠品の創業者急逝、台湾「文創」の旗手

7/20(木) 11:30配信

NNA

 「誠品(eslite、エリート)」ブランドの書店や雑貨店、ホテルなどを多角展開する誠品を創業した呉清友董事長が18日夜、台北市内の病院で急逝した。66歳だった。文化・芸術やデジタルコンテンツなどの分野で新しい台湾文化を生み出す「文創(文化創意、文化クリエーティブ)」をけん引し、誠品を台湾の代表的な企業に育て上げた。
 後継には、長女の呉旻傑・副董事長が就任した。台湾文化部(文部省)の鄭麗君部長(大臣)は「誠品書店は台湾人の読書習慣や生活スタイルに大きな影響を与え、世界が注目するカルチャーブランドに成長した」とコメントし、呉氏の死を悼んだ。呉氏の盟友で誠品の大株主でもあるEMS(電子製品の受託製造サービス)大手、和碩聯合科技(ペガトロン)の童子賢董事長は蘋果日報に対し「台湾に素晴らしい文化資産をもたらした」と述べ、呉氏の功績を讃えた。
 呉氏は国立台北工業専科学校(現・国立台北科技大学)を卒業後、厨房設備を扱う企業の誠建に入社。のち同社の全株式を取得して業態転換を図り、1989年に第1弾となる芸術・建築分野の専門書店「誠品書店(エリート・ブックストア)」を台北市大安区の仁愛敦南円環(ロータリー)に開業した。1号店は後に現在の敦南店に移転し、99年にアジアの書店として初めて24時間営業を開始した。
 誠品書店は一般書籍のほか音楽、美術、写真など専門性の高い輸入書籍や、優れたデザインの文具、雑貨の発掘や販売にも注力。また、店舗ごとに地域の特性を考慮した空間演出にもこだわり、12年に香港、15年には中国江蘇省蘇州市にそれぞれ進出した。
 誠品は12年に黒字転換を達成し、近年は書店や商業施設にとどまらない多角経営を積極化している。劇場「誠品表演庁(エリート・パフォーマンスホール)」、映画館「誠品電影院」、ラグジュアリーホテル「誠品行旅(エリートホテル)」、高級高層住宅「誠品居所」などを矢継ぎ早に展開。百貨店「新光三越百貨・台北南西店」が来年、2号店から撤退し、同ビルを丸ごと誠品が運営するとの業界観測でも注目されている。

最終更新:7/20(木) 11:30
NNA