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日銀・黒田総裁会見7月20日(全文1)2%程度達成は19年度ごろになる可能性

7/20(木) 17:57配信

THE PAGE

 日銀は20日まで2日間開いた金融政策決定会合で、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」をまとめ、2%の物価上昇目標の達成時期をこれまでの「2018年度ごろ」から「2019年度ごろ」に先送りした。金融政策については現状維持とした。黒田東彦総裁が午後3時半に会見し、説明した。

【中継録画】物価上昇2%目標を1年先送り 日銀・黒田総裁が会見

本日の金融政策決定会合、展望レポートの内容について

NHK:すいません、よろしくお願いします。幹事社のNHKです。まず最初に幹事社から質問させていただきます。本日の金融政策決定会合の内容についてですけども、展望レポートの内容も踏まえた上で、ご説明をいただけますでしょうか。

黒田:はい。本日の決定会合では長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールの下で、これまでの金融市場調節方針を維持するということを賛成多数で決定しました。すなわち、短期金利について日本銀行当座預金のうち、政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利について10年もの国債金利が0%程度で推移するよう、長期国債の買い入れを行います。買入額については、おおむね現状程度の買い入れペース、すなわち、保有残高の増加額、年間約80兆円をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう、運営することとします。また長期国債以外の資産買い入れに関しては、これまでの買い入れ方針を継続することを賛成多数で決定しました。

 本日は、展望レポートを決定、公表しましたので、これに沿って先行きの経済物価見通しと、金融政策運営の基本的な考え方について説明します。わが国の景気の現状については、所得から支出への前向きの循環メカニズムが働く下で緩やかに拡大していると判断しました。やや詳しく申し上げますと、海外経済は総じて見れば緩やかな成長が続いています。そうした下で輸出は増加基調にあります。国内需要の面では設備投資は企業収益や業況感が業種の広がりを伴いつつ改善する中で、緩やかな増加基調にあります。個人消費は雇用、所得環境の着実な改善を背景に底堅さを増しています。この間、公共投資は増加に転じつつあり、住宅投資は横ばい圏内の動きとなっています。以上の内外需要の増加を反映して鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けています。また金融環境は極めて緩和した状態にあります。

 このように企業部門、家計部門の双方において、所得から支出への前向きな循環メカニズムが強まり、マクロ的な需給ギャップのプラス基調は定着してきています。こうした状況を踏まえ、今回、景気の総括判断を、これまでの緩やかな拡大に転じつつあるから、一歩前進させることとしました。

 先行きについては、わが国経済は海外経済の成長率が緩やかに高まる下で、極めて緩和的な金融環境と、政府の大型経済対策の効果を背景に景気の拡大が続き、2018年度までの期間を中心に、潜在成長率を上回る成長を維持するとみられます。2019年度は、設備投資の循環的な減速に加え、消費税率引き上げの影響もあって、成長ペースは鈍化するものの、景気拡大は続くと見込まれます。実質GDP成長率に関する今回の見通しを従来の見通しと比べますと、幾分、上振れています。

 次に物価面では、企業の賃金価格設定スタンスがなお、慎重なものにとどまっていることなどを背景に、エネルギー価格上昇の影響を除くと、弱めの動きとなっています。これに伴って、中長期的な予想物価上昇率の高まりもややあとずれしています。もっともマクロ的な需給ギャップが改善を続ける下で、企業の賃金価格設定スタンスが次第に積極化し、中長期的な予想物価上昇率も上昇するとみられます。この結果、消費者物価の前年比はプラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられます。今回の物価見通しを従来の見通しと比べますと、見通し期間の前半を中心に下振れています。なお、2%程度に達する時期は2019年度ごろになる可能性が高いと考えています。

 リスクバランスについては、経済、物価ともに下振れリスクのほうが大きいとみています。物価面ではマクロ的な需給ギャップは改善を続け、中長期的な予想物価上昇率も次第に上昇するとみられる下で、2%の物価安定の目標に向けたモメンタムが維持されていますが、なお力強さに欠けており、引き続き注意深く点検していく必要があります。なお、展望レポートについては、佐藤委員、木内委員から消費者物価が見通し期間中には2%程度に達しないことを前提とする記述案が提出され否決されました。

 日本銀行は2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続します。また、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続します。今後とも、経済、物価、金融情勢を踏まえ、物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行います。以上です。

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最終更新:7/26(水) 6:10
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