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どうなるのか 巨人、山口俊投手の不祥事

7/20(木) 9:30配信

ITmedia ビジネスオンライン

 前代未聞の不祥事だ。2017年にFA移籍で加入したばかりの巨人、山口俊投手が暴力トラブルを起こしていた疑いが発覚。7月18日の中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)で先発マウンドに立つ予定だったが、当日になって問題が発覚し、事態を重く見た球団側の判断によって登板は急きょ回避された。

【山口俊投手の成績など】

 7月11日の夜、山口は東京都内の飲食店で友人らと自らの誕生日を祝いながら過ごしていた際、酒に酔って右手を負傷。その後、夜間診療を受けるため妻らと病院を訪れたものの酩酊状態で扉を破壊し、止めに入ろうとした警備員を負傷させて全治2週間の大ケガを負わせた疑いが持たれている。

 病院側は直後、110番通報して現場に警察官が駆け付けたが、山口らはその直前に現場を立ち去ってしまったという。要するに「逃亡」だ。

 管轄の警視庁、目黒署側は現在も捜査を進めており、今後の状況次第では山口が最悪のケースで逮捕、もしくは書類送検、在宅起訴処分等が科せられる可能性も出てきた。球団側は現在のところ山口を19日に登録抹消とし、当面の間、試合起用を見送って謹慎処分とする方向のようだ。だが、この程度の処分で世間は納得しないだろう。ネット上ではG党からも怒りの声が多数書き込まれており、その大半が「解雇が望ましい」だった。当たり前である。

 11日に酒がらみの暴力トラブルがあったにもかかわらず、山口は球団へ報告もせずにのうのうと15日にはチームメートの先輩、相川亮二捕手やサッカー選手らと懲りもせずに酒席をともにしていた。そして今回回避した予告先発予定の中日戦の前日17日には、相手チームの主力選手やチームメートの選手たちとナゴヤドームで九州北部豪雨災害のチャリティー募金イベントに何食わぬ顔で参加し、ファンと右手でガッチリ握手を交わしていた。この日まではきっと“黙っていればバレるわけがない”と思い込んでいたのであろう。

●最後は「奥の手」を使うのか

 山口の蛮行は重大な裏切り行為であり、もはやプロ失格である。プロ野球選手はファンに夢を与えるのが仕事のはず。それが酩酊状態のままで病院の器物を損壊した挙句、見ず知らずの他人に重傷まで負わせているのだ。

 警察の捜査が進められているような被疑者がファンに夢など与えられるはずもなく、山口はもう二度とマウンドへ上がる資格はない。しかも狡猾(こうかつ)な隠ぺい行為まで働いている。弁明の余地などない。

 重傷を負わせた警備員や病院側と和解できれば、逮捕や起訴にまで発展する可能性は限りなく低くなる。そういう意味でも、水面下で巨人側は何とか病院側と警備員を丸め込もうと最後は「奥の手」を使って許しを請おうとするかもしれない。示談金だ。実際に巨人では以前も、このようなことがあった。

 2014年10月、澤村拓一投手が六本木のクラブで20代の男性に「何をジロジロ見てんだよ」などと突然因縁をつけ“掌底(しょうてい)”で相手を負傷させる事件を引き起こした。明るみに出る前に球団側が、警察に被害届を出していた男性と密かに接触し、示談金を用意するなどして何とか和解が成立。被害届を取り下げさせ、表沙汰にはならないはずだった。ところがその後、この騒動が『週刊文春』によってスッパ抜かれ、あっと言う間に公に広まってしまった。

 事情通は、こう打ち明ける。

 「澤村の件に関しては一連の報道と真相が違うところがいくつかある。これだけひどい事件にもかかわらず、球団側が被害者の男性に用意した示談金の額は一説によると『30~40万円程度』だったらしい。こんなメチャクチャなことを一方的にされたのだからもっと払ってもらっていいような気がするが、この男性が大人しくモノを言わないタイプだったので足元を見られた感もある。

 当時、被害者の男性は銀座で美容院のスタッフとして働いていた。カネに困っていたわけではないので、澤村をしっかりと管理できなかった球団側がちゃんとした謝意を示せばそれで終わるはずだった。ところが巨人側の命を受けてやって来た担当者の“上から目線”の対応に驚いた男性は、『こんなに現実離れした態度の大きい人たちと関わっていたら、自分がおかしくなってしまう』『ここでカネを受け取ったら、逆に何をされるか分からない』などと思い込み、結局この示談金は受け取らず話を終わらせようとした。にもかかわらず、担当者は男性に『この一件について他人には口外しない』という主旨の覚書にサインを求めたとか」

●山口は何を考えているのか

 さすがに今回の山口の案件において巨人側が澤村の時のように被害者男性に対して“ディスカウント交渉”を行うとは思えない。近年の巨人は野球賭博問題など数々の不祥事を重ね、あの当時よりもさらに世間の信頼を大きく失墜させている。今回こそ巨人は被害者男性へ誠心誠意の対応を示し、大問題を引き起こした山口にも毅然とした態度で即刻解雇などの厳しい処分を下さなければ、ファンの怒りも治まりそうになく騒動の鎮静化は図れないだろう。

 それにしても山口は今、何を考えているのだろうか。昨オフ、FA権を行使し、横浜DeNAベイスターズから巨人へ移籍。4年総額8億円と見られる超大型契約を結んだものの、右肩痛で開幕に間に合わず6月に入ってようやく一軍入りを果たしたが、わずか4試合に登板して1勝1敗、防御率6.43。そして、この暴力トラブルだ――。

 フロントはこの男を何のために獲ったのか。獲得に動いた編成責任者はすでに職を解かれているが、それにゴーサインを出した他の幹部の目も節穴だったと言わざるを得ない。

 澤村事件から3年も経たないうちに、所属選手の暴力トラブルが発生した巨人。とにかくイメージ低下は避けられそうもない。

(臼北信行)