ここから本文です

子どもたちに劇場体験をしてほしい!齊藤工が発案した移動映画館の活動【映画で何ができるのか】

7/20(木) 21:46配信

シネマトゥデイ

 俳優・斎藤工が、アーティスト名の齊藤工として活動している移動映画館「cinema bird in 熊本2017」が6月25日、熊本県山鹿市にある国指定重要文化財・八千代座で開催された。映画好きで知られる齊藤の「劇場体験の少ない子どもたちや映画館のない地域の人たちに同じ空間で感動を共有する大切さを伝えたい」という願いで2014年からスタートし、今回で5回目。映画を取り巻く環境が激変し、鑑賞スタイルも多様になったが、原点回帰とも言える移動映画館の活動を追った。(取材・文:中山治美)

『君の名は。』『シン・ゴジラ』の記録的ヒットの一方、全国のスクリーンが減少

 毎年1月末、一般社団法人日本映画製作者連盟(映連)から前年の日本映画産業統計が発表される。平成28年度(2016)の映画興行収入は『君の名は。』(235.6億円:1月22日時点)や『シン・ゴジラ』(82.5億円)のヒットもあり、過去最高となる2,355億円を記録したと大々的に報じられた。

 見落とされがちだが同日、全国スクリーン数も公表されている。平成28年度のスクリーン数は3,472と、前年より35スクリーン増。ただし内訳はシネコンが3,045スクリーンに対し、ミニシアターなどの一般館は427。2000年の調査ではシネコンが1,123だったのに対して一般館が1,401と、一般館の方が多かったが、それが逆転し、16年の間に一般館の974スクリーンが消え去ったことになる。

 例えば cinema birdの第1弾が開催された宮城県石巻市では、160年以上の歴史があった岡田劇場が2011年の東日本大震災で津波に流された。同第4弾が行われた福島県南相馬市には朝日座があるが、開館70年を迎えた1991年に通常興行を終えた。今は有志が「朝日座を楽しむ会」を発足し、不定期で上映イベントを行っている。都心ではシネコンが乱立しているが、地方では車で1~2時間かけて近郊のショッピングモール内にあるシネコンへ行くという声が多数聞かれる。都心と地方の映画文化格差は広がる一方だ。

1/5ページ

最終更新:7/21(金) 11:23
シネマトゥデイ