ここから本文です

【巨人】畠プロ初勝利…故障と手術のリスク承知で獲得ドラ2右腕は「上原になれる」逸材

7/20(木) 6:07配信

スポーツ報知

◆中日5―6巨人(19日・ナゴヤドーム)

 巨人のドラフト2位右腕・畠が2度目の先発登板でプロ初勝利を挙げた。7回まで無失点も8回にピンチを招いて途中降板し、7回1/3を7安打2失点。打線も陽岱鋼の3号3ラン、マギーの5打数5安打2打点など力強く援護。8回まで6点リードしていたが、マシソンとカミネロがつかまり、最後は1点差まで詰め寄られるヒヤヒヤ勝利。巨人は4カード連続で勝ち越しに成功した。

【写真】畠、ウイニングボール握りしめ初勝利手記

 願いが届いた。1点差で逃げ切った瞬間、畠から笑みがこぼれた。由伸監督、斎藤投手コーチに肩を抱かれ、これまでの苦しさが吹っ飛んだ。「けがをしてここまで長かったけど、初勝利できてうれしいです」。最速150キロの直球を投げ込み、7回1/3を7安打2失点。新たなヒーローにベンチ、スタンドから拍手が送られた。

 初回から思い切り腕を振った。「緊張があったけど、ど真ん中でいいからしっかり投げてやろう」。前回6日の広島戦(マツダ)では4回4四死球と乱れ4失点。2軍監督時代から指導を受けた斎藤投手コーチから「直球は遅くないから、どんどん投げていけ」と背中を押された。5回まで危なげなく抑えると、6回1死一塁では鋭い変化球で荒木を投ゴロ併殺打に封じ、7回2死一、二塁でも福田を遊ゴロに打ち取った。カットボール、スライダー、チェンジアップ、フォークを織り交ぜ7回まで無失点。完封が見えてきた8回に2点を失い降板し「投げたかったですけど実力不足で…。次回できるように頑張ります」と反省したが、斎藤コーチは「俺が見ていた2軍で投げていた畠が出ていた」と明るい未来を予感させる91球を称賛した。

 昨秋のドラフト会議。右肘手術の必要性を把握した上で、巨人は指名に踏み切った。決め手は最速155キロのスピードと、かつてのスーパーエースを連想させる強いメンタルだった。担当の益田スカウトは、自信を持って畠を推した。「ふてぶてしさは上原のよう。プロ向きの性格で、上原のような器がある。(手術をしても)近い将来、2ケタ勝てます」。90年代後半に上原浩治(現カブス)を担当した敏腕スカウトが、故障と手術のリスクを承知で推すほど、心身両面の魅力に満ちた素材だった。

 マウンドでは笑みさえ浮かべた。速いテンポの投球は、かつての大エースをほうふつとさせた。恐れず向かっていく度胸満点の姿に、底知れぬ雰囲気が漂った。昨秋の右肘手術から、一日一日を成長につなげようと過ごしてきた。誰よりも長くトレーニングに励み、一番最後にG球場を出た。体の硬さが弱点の男が、悲鳴を上げながら股割りした。「夢のためです。駆け上がらなきゃ」と素直な思いを口にし、常に上を見続けた。

 山口俊の暴行トラブル疑惑で、チームのムードが暗くなりかけたが「(悪い雰囲気を)はねのける投球がしたかった。1勝でも多くチームに貢献できれば」と明るい話題を届けた。巨人の未来を担う大器が、名古屋でたくましくプロの第一歩を踏み出した。(玉寄 穂波)

 ◆畠 世周(はたけ・せいしゅう)1994年5月31日、広島・呉市生まれ。23歳。川尻中では軟式野球部でプレー。近大福山高ではエースとして3年夏の広島大会で16強。近大では3年秋に3試合連続完封を記録。「世周」の由来は「世の中が自分の良い方に回るように」という意味が込められ、命名された。186センチ、80キロ。右投左打。年俸1200万円。

最終更新:7/24(月) 11:59
スポーツ報知

スポーツナビ 野球情報