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この改憲で本当にいいのか? 課題山積の安倍首相案に広がる波紋

7/20(木) 11:20配信

BuzzFeed Japan

「安倍さんの改憲案? ひどいね」

安倍首相が投じた一石に波紋が広がっている。悲願の憲法改正に向けて、唐突に改憲案を披露し、議論が始まったかに見えたがここにきて支持率は急落。党内からも「支持率が低いと自民党案をまとめるのに時間がかかる」(時事通信)という声がでている。しかし、問題は政権運営だけなのか。その論理にも問題があるという見方もある。【BuzzFeed Japan / 石戸諭】

この改憲案でいいのか?

「安倍さんの改憲案?筋が悪くて、ひどいね」

BuzzFeed Newsの取材にこう語るのは、法哲学者の井上達夫さん(東京大教授)だ。井上さんはこれまで、「安倍政権は解釈改憲ではなく堂々と改憲を発議せよ」と主張してきた。

一見すると、今回はその通り、安倍首相は堂々と改憲を言い出したようにみえるが……。

憲法改正の議論に安倍首相は今年5月3日の憲法記念日に突然、大きな一石を投じた。読売新聞のインタビューで、憲法9条の1、2項を残した上で、自衛隊の存在を書き加えると表明した。

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

これが、いまの憲法9条だ。安倍首相は、ここに3項を加え、自衛隊の存在を明記するという案を披露した。

改正憲法は、2020年の施行を目指すという。

唐突な案に党内からの異論も出たが、安倍首相は諦めていない。都議選で惨敗を喫した直後、7月3日にあった毎日新聞の単独インタビューで、安倍首相はこう断言している。

Q 自民党改憲案を今年秋の臨時国会にも出すというスケジュール感は変わりませんか。
A 変わっていません。(2017年7月4日、毎日新聞のインタビューより)
このインタビューでは、「自衛隊は違憲かもしれないけども何かあれば命を張って守ってくれ、というのは私はあまりにも無責任なんだろうと」とも語っている。

井上さんは従来の改憲派、それに反対する護憲派を双方とも批判してきた。改憲派も護憲派も、憲法と自衛隊との関係をうまく説明できていないというのがその大きな理由の一つだ。

自衛隊は、憲法9条2項が放棄したはずの「戦力」ではないのか。自衛隊合憲論が「自衛隊は戦力ではなく、実力組織だ」と言ってきたのは、無理があるのではないか。それが、井上さんの問いかけだ。

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最終更新:7/20(木) 11:20
BuzzFeed Japan