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ミヤマクワガタ長生き244日 富山の島谷さん 飼育日数国内最長を更新

7/20(木) 0:33配信

北日本新聞

 富山市綾田町の大学教授、島谷祐司さん(56)が、ミヤマクワガタ飼育日数の国内最長記録を打ち立てた。自然環境下での成虫の平均寿命を大きく上回る244日間の飼育に成功。これまでの記録164日間を80日も上回り、29年ぶりに更新した。島谷さんは「ここまで長生きするとは思わなかった。誇らしい気持ち」と、“ご長寿クワガタ”に感謝の気持ちを寄せている。

 島谷さんは金沢工業大学基礎教育部で教授を務める傍ら、同大の教員や学生でつくる昆虫研究同好会「KIT虫の会」でミヤマクワガタを研究している。暑さに弱く涼しい高山帯を好むミヤマクワガタが、地球温暖化の影響で減少していることを知り、養殖技術の研究を始めたという。

 記録更新したミヤマクワガタは昨年7月、県内の山中で成虫の状態で採集した。雄のクワガタで、飼育ケースに雌も入れて飼い始めた。夏はできる限り涼しい場所にケースを置くなど、試行錯誤しながら快適な環境を探したという。

 成虫の寿命は自然環境下で長くて約60日とされる。温度の管理が難しく、飼育すると、さらに短くなるという。昆虫を専門にする出版社「むし社」(東京都)が発行する「月刊むし」1987年3月号に、1986年8月から翌年1月まで164日間生存した記録が残っている。

 島谷さんのミヤマクワガタは越冬に成功して今年3月まで生き、「月刊むし」6月号に最長記録として掲載された。2月に入ってからは動きが鈍くなり、足の欠損もあったと言い、「できればもう少し生きてほしかったが、よく頑張ってくれた」と振り返る。

 富山市科学博物館の岩田朋文学芸員は、244日間の飼育記録について「餌、湿度、温度管理のバランスが良かったのではないか。驚くべき日数だ」と話す。まだ詳しいことが分かっていない飼育の適温を解明するヒントにもなると指摘する。

 島谷さんによると、クワガタを育てるコツは▽餌を切らさない▽乾燥を避ける▽涼しい環境をつくる-の3つ。養殖技術の確立に向け、今後も研究を進める考えで「長寿記録を自分の手でさらに伸ばしたい」と意気込んでいる。 (社会部・堀佑太)

北日本新聞社

最終更新:7/20(木) 0:33
北日本新聞