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玄米で満腹感→脂肪摂取を抑制→生活習慣病の予防へ 琉球大学院、含有成分の働き解明

7/20(木) 8:05配信

沖縄タイムス

 琉球大学大学院医学研究科の益崎裕章教授と小塚智沙代医学博士(米・ハーバード大に留学中)らの研究グループは19日までに、玄米に豊富に含まれている成分「γ(ガンマ)-オリザノール」が食事による満足感をもたらす脳内の「脳内報酬系」に働き掛けると、動物性脂肪の依存性や嗜好(しこう)性を緩和させる機能があることを突き止めた。世界初の研究成果で、糖尿病研究で世界的権威のあるヨーロッパ糖尿病学会誌「Diabetologia」8月号(8月1日発行)に掲載され、表紙を飾ることになった。

 益崎教授は「天然食物由来なので、長期間の摂取に対する安全性が担保されている。肥満症や糖尿病の予防・改善効果が期待でき、県民の健康長寿の復活につなげられたらいい」とアピールする。アルコールやニコチン、インターネット、ギャンブルなどの依存症への応用も可能という。同成分を含む高機能サプリメントも開発中で、来年夏ごろに発売予定。

 動物性脂肪や砂糖は過剰摂取すると、脳内で喜びを感じる遺伝子の機能に異常を起こし、自らが必要とするエネルギー量や栄養成分を判断できない脳に変えてしまう。

 同グループは2013年から研究を開始。動物性脂肪食を与えて肥満にさせたマウスにγ-オリザノールを投与すると、動物性脂肪分を含んだ餌を食べる割合が徐々に低下。また、γ-オリザノールを投与されていないマウスと比べ、体重の増加率も緩やかになった。同実験などから、γ-オリザノールが脳内報酬系に働き掛けて、おいしさや満腹による幸せ感を受け取るドーパミン受容体の機能を高める仕組みを明らかにした。

 同グループの研究により、γ-オリザノールは食欲の中枢である視床下部に働き掛け、動物性脂肪に対する嗜好性を抑制する機能があることも判明している。γ-オリザノールは視床下部と脳内報酬系の双方に作用にして慢性的な動物性脂肪の過剰摂取による悪循環を遮断し、適正な食行動に回帰させる効果が期待できるという。

 益崎教授は「動物性脂肪によってハッキングされた『満足できなくなった脳』を、『足るを知る脳』によみがえらせる新しいメカニズムの解明で、生活習慣病の根本解決につながる画期的成果だ」と強調した。

最終更新:7/20(木) 8:55
沖縄タイムス