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カノエラナ 「みんな“おっぱい”が好きだから作った」問題作を収録するミニアルバム完成/インタビュー1

7/21(金) 20:30配信

エキサイトミュージック

 
■カノエラナ/New Mini Album「カノエ暴走。」インタビュー(1/3)

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SNSでの30秒動画で独自の世界観を弾き語り、話題を集めるカノエラナ。デビューから約1年となる7月にミニアルバム三部作の最終形「カノエ暴走。」をついに完成させた。ポップさやロックな側面を打ち出した前作までも魅力的だったが、本作ではカノエラナの魅力がさらに倍加。リード曲「たのしいバストの数え歌」をはじめ、日常のささいな出来事から妄想を膨らませて、非現実的なパラレルワールドへと引きずり込むような独特の歌詞の世界観や予測不能な展開やサウンドアプローチなど、彼女の個性が際立った作品となっている。他にも、遊びから生まれた「ダイエットのうた」やアニメへの深い愛について語る「沼に落ちて」など、どれもが濃いカノエ印が押されたものでワクワクするものばかり。デビュー1年で得た手応えや、今の彼女だからこそ鳴らせる音楽についてもたっぷりと語ってもらった。
(取材・文/橘川有子)

1曲ずつキャラ立ちしすぎてます(笑)

――デビューから1年で3枚のミニアルバムを作り上げたのはすごいですよ!

カノエ:そうなんですか?! 大変だなと思うことも一切なく、創作意欲が尽きることもなく3枚作り上げられました。ただ、走ってる感覚はずっとあって、長距離ランの割にはペースが早いなぁって(笑)。いろんな人から「アルバムの出るのが早いね」って言われて、そうなんだってやっと気がついてます(笑)。

――知らないが故の強さだね(笑)。さて、今作はシリーズ最終作だそうですね?

カノエ:はい。最初の『カノエ参上。』はメジャーで初めての作品だったので、「カノエラナです。こんにちは」みたいなアルバムでポップな作品でした。続く『カノエ上等。』はその反動じゃないけど、ロックに攻めた。今回は私の個性に特化して尖ったものばかりを入れたいなと思って作りました。ロックだけじゃなくいろんな方向に尖らせて、聴いた人が「なんじゃこりゃ?!」ってなるような作品にしたくて。だから1曲ずつキャラ立ちしすぎてます(笑)。できる曲をできた時に(素直に)形にしたらこうなったんですが。

――たしかに、1曲目「私立カノエ厨学校校歌」から濃厚(笑)。

カノエ:ですね(笑)。少し前なんですが、私の地元の佐賀県で知事とお仕事でご一緒させていただくことがあって、その時に小学校に伺ったんです。いろんな式典とかが終わった後に生徒の皆さんが校歌を歌ってくれたんですが、その声がめちゃめちゃでかくてびっくりしました。声の粒がバーンとぶつかってくる感じがして、それに感動したんですね。だんだん中学や高校になればなるほど校歌って歌わなくなるし、歌っても声が小さかったりするじゃないですか。それはそれで可愛いなって思うけど、私もみんなと一緒に歌える校歌みたいな曲があったらいいのになって思ったんです。

――ラナさんは学生時代は校歌は大声で歌ってた?

カノエ:中学時代は校歌の伴奏でピアノを弾いていたので歌ってませんでした(笑)。演奏してたから、校歌をどう作ればいいかなんとなくわかる感覚もあって、その記憶も重ねたりして昔ながらの校歌っぽい雰囲気を出しながら自分らしい曲にしていきました。ライブとかでみんなと歌えたらいいですね。

――プロのアーティストにならなければ、校歌を作ろうとは思わなかった?

カノエ:そうですね。ああして学校に行って校歌を歌ってもらうこともなかっただろうから。デビューしてからは、些細なことも「すごい。奇跡みたいだな」って感じられるようになりましたね。

――一方、「沼に落ちて」はカノエラナの根源的な部分を歌っているのかなと。

カノエ:ふふふ(笑)。とにかく、どうしようもない人もいるぜって言いたくて。「あたしの彼氏は二次元の人」って歌があるんですけど、それは私個人のことではなくて、総称してアニメに対して思ってることとかを書いてたんです。そういえば、自分のアニメへの思いをまっすぐ書いた曲って今までなかったなと思ったので今回作ることにしました。実際、落ちていたのがきっかけなんですけど(笑)。

――何に「落ちて」いたのですか?

カノエ:毎期必ず何かに「落ちて」るんです(笑)。それが永遠と繰り返されています。これを書いた時は『刀剣乱舞』だったと思います。今まで旬なものはあまり通ってこなかったんですが、「ちょっと足をつっこんでみようかな」って思ったら、ズズズズズ――ーって落ちちゃいましたね(笑)。

――(笑)。リード曲「たのしいバストの数え歌」はとある事件がきっかけだそうですね?

カノエ:そうなんです! 昨年のハロウィンに、私は仕事帰りだったので普通に電車の中で(スマホを使って)マネージャーさんと連絡を取り合ってたんですね。スケジュールが来たのでスクリーンショットを撮ったりしてたんです。で、ハロウィンって電車に乗る人乗る人みんなゾンビじゃないですか(笑)。

――日本のカオスぶりは世界的にもすごいですもんね(笑)。

カノエ:その時に私の近くにいた4人ぐらいの女子グループはすごいミニスカートのナース姿のゾンビだったんです。で、スクショを撮った音を聞いて、そのナースのゾンビさんが「写真撮られた。キモいんだけど」ってザワザワし始めた。それも結構長い間その話を引っぱってたんですよ。そんなつもり全然ないのに、勘違いされちゃったんだなって思いながら電車を降りようと。その時に、たまたまちらっとその女子の方を見たら……。

――見たら?! ゾンビだけに襲いかかってきた?

カノエ:そんな(笑)。ミニスカートと豊満な胸でスタイルがいいなって思ってたんですが、私の目に(胸を底上げする)パットが見えたんです!

――そんなーー(笑)。おもろすぎる展開です。

カノエ:それを見た瞬間、「勘違いされちゃって嫌だな」とかいろんな負の感情が渦巻いてたんですけど、それが一気にスーッと引いていきました。むしろ、「ごめんね。見ちゃって」って気持ちになって申し訳ないとまで思ってしまいました。だから、その時のお姉さんたちに届かなくても、そうやって巧みな技で惑わされちゃってる人っているんだろうなって思ったので、ここでカノエラナが一筆たしなめましょうと(笑)、家に帰って速攻で作りました。私自身はコスプレはやるより見る方が楽しいし、好きですね。

――みんなが知ってるABCの歌に乗せるアイデアもいいなぁと。

カノエ:ありがとうございます。「おっぱい」って秘密めいてるけど、男子も女子もみんなが好きなことでもあるから、親しみやすくなればいいなって思って(笑)。

――ミュージックビデオも楽しいものになったそうですね。

カノエ:私のMVって普通の人はあんまり出てこないんです(笑)。今回は着ぐるみさんに来てもらいました。「うしまる」(牛)「スイカップン」(スイカ)は巨乳を象徴的で、実際に胸の大きなお姉さんにも出演していただきました。

――そんな状況なら、私だったらコンプレックスで萎縮してしまいそう(笑)。

カノエ:おっぱいってややこしいですもんね(笑)。映像的には全然そう見えないんですけど(笑)、この映像は1カットで撮ってるので、踊ったり移動したり立ち位置とか全部がミスできない。覚えることがたくさんあって今までで一番頭を使いました。ずっと走ってるし、ギターを持って走ってるからこけたら死ぬなって思いながらやってましたね(笑)。

――おかげで楽しいMVになって。「ダイエットのうた」も女子のコンプレックスを刺激しますね?

カノエ:はい、女の子の悩み繋がりです。私って、言っても怒られないって思われてるみたいでお客さんから「太った?」と言われます。その通りなんだけど、ちょっと傷つくんですよね、やっぱり。帰り道にマネージャーさんと「どうしたらいいんだろう」って話してたら、だんだん面白くなって「インナーマッスル~」とかって連呼してたら歌みたいになっていったんです。

――楽しい会話から生まれた純粋な歌だと。

カノエ:そう言われるとすごくいい感じに聞こえます(笑)。歌を作って、その途中で「みんなで動ける(運動できる)ようにしたら面白そう」とかどんどん膨らんで(笑)。そういう遊びから曲ができる現象はたまに、アルバムに1曲くらいはありますね。一度聴いたら「あのインナーマッスルの曲でしょ」みたいに覚えてもらいやすいかなって思って、気に入ってます(笑)。

――ただ、コーラスの録音は大変だった?

カノエ:そうなんですよ! 重なってる部分が全く別の旋律を歌うので、主旋律と一緒に歌っていると「一体、私はどこを歌ってるんだっけ?」みたいになる。だからこの曲のレコーディングで初めて苦手な楽譜を読みました(笑)。

――ピアノを習ってたのに楽譜を読むのが苦手?
 
カノエ:はい。あれって数学みたいだなって思うんですよ。計算だから性に合わない。どうして作曲者の書いた譜面通りに演奏しなきゃいけないのかってところも納得できないし(笑)。だからピアノの先生からは勝手に弾いてめっちゃ怒られてました。

――表現の場がポップスでよかったですね。

カノエ:自由度が全然高いですもんね(笑)。でも、ピアノを学んでいたから今回は理解できる部分もあったので、習っていてよかったなと生まれて初めて思いました。今後曲を作るときにもコーラスの入れ方とかで参考になりそうです。