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山本富士子 巨匠・小津安二郎の秘話を明かす 「ミルクの時間」とは…

7/21(金) 16:45配信

デイリースポーツ

 昭和の大スター、女優の山本富士子(85)が、21日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」で、日本映画が誇る世界的な巨匠、小津安二郎監督(1903~1963)の秘話を明かした。

 映画「彼岸花」(1958年)で唯一の小津作品出演を果たした山本は「昭和30年代っていうのはホントに日本の映画の全盛期で、専属制度が各社、厳しくて俳優の貸し借りはもう一切しないという状況だった。そんな中でも私は何とか自分の新しい可能性を見つけたいという思いがね、強くありまして、もう長い間かかって会社(大映)にお願いをして、やっと実現したのが、初めての松竹での他社出演。小津安二郎監督の『彼岸花』だったんです。本当に念願がかなって感激をしたのを覚えています」と、時代背景と出演に至る経緯を説明。

 大映では「もうホントに超過酷なスケジュールで、徹夜は当たり前、夜間撮影は当たり前という状態でずっとやってましてね」というハードワークを強いられていたが、松竹では事情が違った。

 「『彼岸花』の時は、夕方5時になると小津先生がスタジオから出て来られて、もうとってもうれしそうな顔で『これからはミルクの時間だよ』とおっしゃるんですね。私はホントにミルクをお飲みになるんだと思ってましたら、スタッフの方が『ミルクはお酒のことです』って。そう言って教えてくださったんですけども。そのありがたいミルクのおかげで、この『彼岸花』の時は徹夜も夜間も一切なし。夕方5時に撮影が終わるという」と、小津組エピソードを披露した。

 山本は「いやあもう、小津先生はホントにステキな方でした。私は他社ですから、たった1本しかご縁がなかったんですけど。でも今、色んなところで『彼岸花』を上映してくださって、先生のお話をする機会がありますのでね。ホントに素晴らしいご縁をいただいたと思って感謝しています」と感慨深げ。

 「彼岸花」のファーストシーンで着用した着物を「大切な宝物を持ってきた」と広げ、「撮影が全部終了した後で(小津監督が)記念にと私にくださったんです。この時は全部、(衣装担当でなく)小津先生が選んでくださったんですね。小津先生は赤という色がお好きでね。朱赤の裏地がついているんです」と、懐かしそうに説明していた。