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映画ファン注目のアイスランド映画!魅力は“独特のユーモア”と“壮大なロケーション”

7/21(金) 12:01配信

dmenu映画

日本で公開されている映画は、日本映画とハリウッド映画が大半を占めるものの、実はあまりなじみのない国の映画も数多く劇場公開されています。その中で、ここ数年、密かに映画ファンの間で人気を得ているのがアイスランド映画。数は少ないですが、『馬々と人間たち』(2014年)『ひつじ村の兄弟』(2015年)、『好きにならずにいられない』(2016年)、などが公開され、それぞれ小規模公開ながらロングランになりました。そこに新たに加わりそうなのが、映画『ハートストーン』(7月15日公開)です。

国際的にも評価が高まっているアイスランド映画

ここ数年の間に上映されて、好評を博したアイスランド映画に共通するキーワードがあるとすれば、“独特のユーモア”と“監督の異能としか言いようのない作家性”でしょうか。それほど、アイスランド映画は個性的です。たとえば『好きにならずにいられない』は、43歳独身、デブ、オタク、女性経験なしという男が主人公。そんな愛と最も縁遠いところにいる男に訪れた運命的な恋の行方が描かれます。このように日本映画ではほとんどありえない人物が堂々と主役を張り、しかもおおよそこの主人公に似つかわしくないラブストーリーが展開していきます。

『馬々と人間たち』もまた独特。この作品は、とある小さな村で暮らす人々の間で交わされるさまざまな愛が語られます。その中で、異能が弾けるのが「視点」です。なんとこの村で起きるさまざまな出来事が、その村のとある馬の目線から見つめられるのです。その独特の感性は実は世界でも高く評価されており、『好きにならずにいられない』『馬々と人間たち』『ひつじ村の兄弟』いずれも世界各国の国際映画祭で受賞を重ねています。

思春期、あのときのピュアな感情がきっと甦る

しかし、今回紹介する『ハートストーン』は、前述の3作品とは異なるタイプの映画です。むしろ「王道」とでも言いましょうか。切なく美しい正統派の青春映画になっています。この『ハートストーン』が初の長編映画となる新鋭、グズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン監督ですが、この物語は自身の体験がもとになっているそう。主人公はまだ10代の少年、ソールとクリスティアン。幼なじみの彼らは一緒に成長してきた無二の親友です。ただ、年ごろを迎えて異性に目覚めたソールがひとりの女の子に夢中になったとき、クリスティアンに複雑な感情が芽生えます。友情か恋か? その狭間で悩むソール。一方でクリスティアンはソールに特別な感情を抱いている自分に苦悩します。この二人の心の揺らぎを繊細に切り取った本作は、思春期にいる子どもたちの傷つきやすいナイーヴな感情を残酷なぐらい容赦なく、リアルに映し出します。すでに大人になった人たちは、自分の思春期に抱いていた感情がきっと甦るはず。一方、主人公達と同世代にとっては自分たちの物語として、いろいろと感じるところがあることでしょう。ソールとクリスティアンを演じたのは新人俳優のバルドル・エイナルソンとブラーイル・ヒンリクソン。無垢で純粋で一本気で、まだ少年の面影を残す二人の若き美形俳優の、その自然な演技も深く心に刻まれます。

その風景もアイスランド映画の大きな魅力

そしてもうひとつ、アイスランド映画の大きな魅力と思えるのが壮大なロケーションです。“火山とフィヨルド(氷河)の国”というだけあって、アイスランド映画にはまるで地の果てとも言うべき、どこか異世界を思えるような風景がしばしば登場します。この『ハートストーン』もしかり。作品には随所に火山や広大な高原など鮮烈な印象を残す場所が登場します。

世界の映画シーンでも存在感を示しつつあるアイスランド映画。新たな傑作と言っていい『ハートストーン』に注目してください。

(文/水上賢治@アドバンスワークス)

最終更新:7/21(金) 12:01
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