ここから本文です

「上司との会話は午前中に」幸せになれる働き方のヒントをくれる、日立のウェアラブルセンサーとAI

7/21(金) 7:11配信

ギズモード・ジャパン

職場での話。

効率的な仕事の進め方じゃないとわかっていても、ついついクセでやっちゃう(もしくはやらない)あんなこと、こんなこと。もしもコンピューターに「こうやってみたら?」と優しくアドバイスされたとしたら、あなたはそのまま実行しますか?

【画像】「上司との会話は午前中に」幸せになれる働き方のヒントをくれる、日立のウェアラブルセンサーとAI

もしも、そのアドバイスに従って行動すれば職場全体の「ハピネス度」と生産性が向上するとしたら?

「ハピネス度」=職場での総合的な幸福感。そんな主観的な概念を科学的な手法で研究している日立製作所が、実証実験でウェアラブルセンサーとAI(人工知能)を組み合わせて自社の職員に働き方のヒントを提案し、ハピネス度も生産性も向上させることに成功しました。

AIと聞くとAmazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)などの海外企業を連想しがちですが、日立も長年AI開発に力を注いできました。日立の人工知能「Hitachi AI Technology/H」(以下、H)は従来の「機械学習」を超える「跳躍学習」を得意とし、「1対1」ではなく「1対多」の問題を取り扱えることができると日立のウェブサイトに書いてあります。

日立のニュースリリースによれば、2016年6月~10月にかけて行なわれた実証実験はこんなかんじでした。まず、日立グループ内の営業部門26部署、約600人に上画像の名札型のウェアラブルセンサーをつけてもらい、業務時間内に3種類の行動データを計測します。ひとつは、対面情報。だれとだれが、いつ、どのくらい対面したかを赤外線センサーで測ります。もうひとつは、身体情報。体の動きを加速度センサーで測ります。そしてもうひとつは、場所。どこにいるのかを赤外線ビーコンを使ってトラッキングします。

名刺センサーでデータ収集→AIで分析→アドバイス

それらの膨大な行動データは日立のIoTプラットフォーム「Lumada」を介して人工知能「H」へと送られ、そこでデータの分析が行なわれます。分析の結果、一人ひとりの幸福感の向上につながる行動についての有効なアドバイスが「H」により自動的に作成され、配信されます。

「Aさんとの5分以下の短い会話を増やしましょう」

「上司のBさんに会うには午前中がおすすめです」

このようにかなり具体的にアドバイスしてくれます。これらを実行していくうちに、従業員同士のコミュニケーションが活発になったり、モチベーションが向上したりして、職場の全体的な「ハピネス度」が上がりました。実際、同時期に実施した従業員満足度調査の結果とつき合わせた結果、AIで計測したハピネス度が高かった部署では前向きな回答が多かったのです。

さらに、気になるのは生産性ですが、これもハピネス度と共に向上。どのぐらいかというと、実証実験期間中にハピネス度が上がった部署は、下がった部署に比べて翌4半期の受注額が平均27%も上回りました。働いている方々にとっても生産性が上がるのは労働時間の短縮につながりますから、いいこと間違いなしです。

すでに三菱東京UFJ銀行や日本航空などでシステム導入を行なっており、コールセンターでの実証実験では従業員の平均ハピネス度が高めの日は低めの日に比べて1日あたりの受注量が34%も高かったという結果も出ています。

1/2ページ