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加熱式たばこ「東京・夏の陣」…勝者はどこに?

7/21(金) 11:42配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 火を使わない「加熱式たばこ」を巡る、たばこ各社の《東京・夏の陣》が幕を開けた。

 「アイコス」で先行する米フィリップモリスの背中を追い、日本たばこ産業(JT)は「プルーム・テック」の専門店を東京・銀座に開店。7月10日から、都内の約100店舗で販売を始めた。それまでは、インターネットと福岡市内で限定販売していたが、2018年上半期を目標とする「全国展開」にいよいよ動きだした形だ。

 英ブリテッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)も、仙台市限定販売だった「グロー」について、7月3日から都内での販売をスタートさせた。

 ただ、そうした市場の“加熱”ぶりとは裏腹に、供給体制は追いついていないようだ。

 これまで300万個が売れたアイコスは、現在も品薄状態が続いている。インターネットの予約注文も取りにくく、プルーム・テックも同じような状況という。

 グローは「BATとしては十分な供給体制を取っている」(担当者)と説明している。

 3品の中でも、特にプルーム・テックは、福岡市での限定販売でも手に入りにくい状態が続いていたが、「これ以上、アイコスの独走を許すとまずい」と、供給体制に弱点を抱えたまま、“見切り発車”に近い形で東京に進出した印象が強い。

 販売するJTは「専用デバイスやたばこカプセルの生産設備の増強を進める」と説明するが、「非常に品薄になることが予想される」ことから、当面は事前予約での販売が続く見込みという。

■まだ黎明期の加熱式

 受動喫煙対策の強化が議論される中、注目される「加熱式たばこ」。市場の勝者は、どこになるのか。愛煙家に聞いてみた。

 東京・丸の内にあるビジネスビルの喫煙所。複数の加熱式たばこを手に、試し吸いをしていた60歳代の愛煙家は「やっぱり一番は吸い応えのある紙たばこ」ときっぱり。その上で、あえて加熱式たばこの中から選ぶとすると、「においが気にならないプルーム・テックが伸びるんじゃないか」との見解だった。

 アイコス、グローは副流煙は「ほとんど出ない」とされるが、たばこ葉を直接、加熱するため「においは少ない」(フィリップモリス)とはいえ、使用時に独特なにおいがするのは否めない。これが、たばこを吸わない人には「くさい」と感じるようだ。

 一方、プルーム・テックは「火を使わず、たばこ葉を直接加熱もしないため、煙(燃焼により発生する煙)によるにおいや空気の汚れがない」(JT)とPRしている。

 業界関係者は「加熱式たばこは、まだまだ黎明期(れいめいき)。勝者が決まるのはまだ先だ」と語る。各社は市場拡大に向け「加熱式たばこOK」の飲食店を広げる試みでは連携していくという。

 記者は近く、何度目かの禁煙にチャレンジする覚悟なので、その動向はもう、気にならなくなる予定ですが…。

西日本新聞社