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渦中の「東芝メモリ」にキヤノンが新型の半導体製造装置を納入

7/21(金) 10:47配信

ニュースイッチ

宝の持ち腐れにならないよう、一刻も早く再建問題の進展を

 キヤノンは、ナノインプリント技術を使った半導体製造装置の量産モデルを、東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の四日市工場(三重県四日市市)に1機納入したと。量産モデルを工場に納めるのは初めて。今後、東芝メモリと最終段階の開発を進める。ナノインプリント装置は、型を半導体ウエハーに押しつけて回路パターンを形成する。1回で微細な回路を描けるほか、装置価格も既存の先端露光装置と比べ安く、回路形成工程のコスト低減が期待されている。

 量産モデルの回路線幅は11ナノメートル(ナノは10億分の1)で、直径300ミリメートルウエハーを1時間当たり80枚加工可能。複数回の露光を繰り返して微細回路を形成するArF(フッ化アルゴン)液浸露光装置に比べ、コストを64%削減できるという。

 ナノインプリント露光装置は、はんこを押すような要領で回路パターンを形成する。既存のArF液浸露光装置で2回必要になる処理が1回で済む。装置価格もArF液浸よりも大幅に安いため、東芝は製造コストを大幅に低減できるとみる。

 NANDメモリー市場はスマートフォン向けに、データセンター(DC)向け需要が加わり安定して伸びる見通し。東芝は同事業で韓国サムスン電子に次いでシェア2位。ただコスト削減が競争力を左右するポイントになっており、東芝はナノインプリント露光装置の活用を模索していた。

 東芝とキヤノンは14年にナノインプリント露光装置の共同開発を開始した。キヤノンは16年からの5カ年経営計画で、ナノインプリント露光装置を注力する新規事業の一つに掲げている。

 一方で東芝再建の柱となる事業子会社「東芝メモリ」の売却手続きが遅れ、その間にサムスンが投資を加速させている。よい技術であっても事業スピード、それを決断するマネジメントが安定していなければ宝の持ち腐れになる。
 
 メモリー事業のパートナー、米ウエスタンデジタル(WD)が「東芝メモリ」売却の予備的差し止めを求めた訴訟で、米カリフォルニア州上級裁判所が判断を示さなかったことを受け、東芝は売却契約の締結を急ぐ考えを示している。

 ただ売却に反対するWDの主張は変わっておらず、差し止めリスクは残る。秋までには法廷対決の本番と位置付ける国際仲裁裁判所での審議が始まる。ラストマン(最終意思決定者)なき交渉で、事業の価値は日々毀損していく状況が続いている。

最終更新:7/21(金) 10:47
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