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ウォルマートにも価格競争で勝利! ドイツのスーパー「リドル」の安さの秘密

7/21(金) 21:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ドイツの人気ディスカウントスーパー「リドル(Lidl)」がアメリカに上陸し、現地のバーゲンハンターたちが喜びに湧いている。

【画像】リドルの「フレッシュ・5 スペシャル」は、週に2度入れ替わる特売商品のコーナーだ。

投資会社ジェフリーズのアナリストによる最新の20品目価格調査では、リドルがアメリカ最大手の食料品チェーン、ウォルマートより約9%安いことがわかった。リドルの品揃えは、競合他社に比べ半分ほどだという。

これまでアメリカの東海岸に10店舗をオープンしており、来年半ばまでに80店舗をオープンする予定のリドル。

同社はすでにイギリスのスーパーマーケット市場を席巻し、一部大手を熾烈な価格戦争へと駆り立てた。今、アナリストたちはアメリカでも同じことが起こると予測している。

なぜリドルは、それほどの低価格を維持できるのだろうか? その秘密を探った。

1. 商品の大半はプライベートブランド

リドルが取り扱う商品の約9割が、同社のために特別に作られた、いわゆるプライベートブランド(PB)商品だ。

PB商品を販売するメリットには、2つの側面がある。リドルは卸を通さないことで、サプライヤーからの追加費用を削減できる。また、製造コストをより厳しく管理し、独自の価格設定も可能だ。一方で、初期費用は遥かに安く抑えられるため、メーカー商品よりも高い利益率で販売できる。

2. 取扱商品を限定

ウォルフ・リサーチ(Wolfe Research)の小売業界アナリスト、スコット・ムシュキン(Scott Mushkin)氏は、「(リドルでは)限られたアイテムが大量に仕入れられている」とBusiness Insiderに語った。同氏によると、例えばマスタードなら、リドルは2種類しか取り扱わない。すなわちPB商品と最も一般的なメーカー商品だ。限られた品種を大量に仕入れるため、リドルはサプライヤーに対し、高い購買力を持つ。

調査会社プラネット・リテール RNG(Planet Retail RNG)のダグ・クンツ(Doug Koontz)氏は、「リドルの取扱商品は約2000点。同等の食料品店の2万点や、衣食住にかかる様々な商品を一手に扱うスーパーセンターの6万点に比べ、かなり少ない」と話した。

3. 在庫は「回転率の高いアイテム」

リドルは買い物客が頻繁に購入する日常的なアイテムを中心に販売している。調査会社カンター・リテールのディレクター、マイク・プーリア(Mike Puglia)氏はBusiness Insiderに語った。

「リドルはよく売れるアイテムを中心に取り扱うことで、高い利益率を得ている。サイクルの速い商品は、在庫として抱える時間が少なくて済む」

プーリア氏は店舗を訪れた際、同社の品揃えがニッチな商品や特別な商品ではなく、シリアルやジュース、生鮮食品など日々必要なアイテムに絞られていることに気付いたと語った。

4. コンパクトな店舗

リドルがアメリカでオープンさせた新店舗は、平均約2万平方フィート(約1860平方メートル)の広さで、6本ほどの通路がある。同社のヨーロッパの店舗よりは大きいが、クローガー(Kroger)のようなアメリカの一般的なスーパーマーケットに比べると、約4分の1に過ぎない。

5. 人件費が安い

人件費を抑えるため、リドルは店舗スタッフが少ない。

「人と人のやりとりを減らすため、リドルはバックヤードに効率的な技術と自動化を取り入れている」とクンツ氏。リドルでは、買い物客は自分で計量したり、購入した商品を自分で買い物袋に入れる必要がある。

また、店舗スタッフはどの部門でも働けるように訓練されている。

「その結果、柔軟で効率的な人員配置が可能だ」とプーリア氏はBusiness Insiderに述べた。

6. 陳列は入荷時の梱包のまま

リドルでは、ほとんどの商品が入荷時の梱包のまま、売場に並べられている。補充作業のスピードアップと人件費の抑制につながっている。

ムシュキン氏は店舗に行った際、牛乳が車輪のついたカートに載せられた状態で売られていることに気付いた。これらのカートは、サプライヤーがトラックから直接売り場に運び込んだものだと言う。

また、リドルはメーカー商品の取り扱いが少ないため、店内の販売促進のために費やす費用も少なくて済む。手の込んだ店頭ポップや陳列棚は作らず、いわゆるダンプ・ビン(小売店用の段ボール箱)やワゴンを使ったシンプルなディスプレイで販売できる。

7. 徹底的なコスト削減

リドルが重視するのは、一貫した効率性だ。ありとあらゆるコストを削減している。

クンツ氏は「店舗の装飾にコストをかけることを避けている」と指摘。リドルの広報担当者も、ワシントン・ポストの取材に対し、「我々は『無駄』を異なる見方で捉えている。1日の終わりにゴミ箱に捨てられているものだけでなく、顧客のコストを上げる原因になる全ての非効率性もだ」と述べた。

その答えの1つが、店舗でできる限り自然光を採用することだ。

8. 広告に多額の費用を投じない

リドルは地元に集中した、小規模なマーケティングにこだわっている。

クンツ氏によると、「地元のラジオ広告や地元のソーシャルメディアを積極的に活用している」

[原文:A German grocery chain that's coming to America is already dominating Walmart on prices - here's why it's so cheap]

(翻訳:本田直子)

最終更新:7/21(金) 21:10
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