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原発不要9条は必要 茅ケ崎駅前で市民が発信

7/21(金) 19:28配信

カナロコ by 神奈川新聞

 「原発のない社会・憲法9条がある社会を次世代に」を合言葉に、茅ケ崎市民が毎日、JR茅ケ崎駅前に立ちながら訴えを発信し続けている。取り組みの名は「9の日スタンディング★ちがさき」。当初は「9」の付く日に集まっていたが、2015年7月の安全保障関連法案の衆院通過を機に連日の行動に転換した。活動を始めて2年となった今月17日も、メンバーはいつもの立ち姿で意思を示した。

 西日が照り付けた「海の日」の17日午後。茅ケ崎駅北口には、市民55人が列を作っていた。それぞれの手には、手製のプラカードが握られている。

 「辺野古新基地阻止 全国連帯スタンディング」「辺野古を守る この海は渡さない」

 この日、市内で講演した沖縄平和運動センター議長の山城博治さん(64)も駆け付けていた。沖縄県名護市辺野古で政府が推し進める米軍新基地建設に抗議し、目の前を行く人に足早に通り過ぎられてなお、「声」を表明した。

 行動の出発点は2003年12月にさかのぼる。同年3月、米英軍はイラクへの攻撃を開始し、当時の小泉純一郎首相はこれを支持した。後に攻撃の根拠とされた大量破壊兵器は見つからなかったものの、日本は04年1月から陸上自衛隊を南部サマワに派遣し、06年7月まで給水や道路補修などの作業に携わった。

 「自衛隊派遣は憲法9条に違反する。憲法が壊されるという危機感から居ても立ってもいられず、意思表示をしようとスタンディングを思い付いた」。茅ケ崎市ひばりが丘の岡本棟守さん(74)は1人でもやると言って始めたが、茅ケ崎駅前での第1回の行動には21人が集まった。

 参加は自由。メンバーが流動的なのは変わらない。護憲、そして、11年3月の東京電力福島第1原発事故以降は「原発のない社会」も掲げてきたが、転機が訪れた。15年7月16日、憲法学者らが「憲法違反」と声を上げた安全保障関連法案の衆院通過だった。

 「日にち限定など悠長なことは言ってられない」。「9」が付く日限定での行動を変え、同日から駅前に毎日立つようになった。最近は、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法に反対した。

 憲法21条は表現の自由を保障し、同12条はその自由や権利は国民の不断の努力で保持しなければならない、とある。この2年間で活動に参加する市民が1人で立った日はわずか2日。岡本さんは「これからも『不断の努力を普段から』を実践していく」と話した。