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【土屋雅史氏のJ2展望】岐阜は主力に成長した“ルーキー”に注目…京都vs名古屋は1巡目同様ドロー決着を予期

7/21(金) 17:00配信

SOCCER KING

■“期待のルーキー”からチームの主力へ

 前節は横浜FCに0-1で惜敗し、連勝とはいかなかったものの、その独特のスタイルで今シーズンのJ2を沸かせている18位の岐阜が、3連勝と調子の上向いてきた13位の町田をホームに迎える一戦。このゲームでは、ルーキーながらここまでリーグ戦全23試合にスタメン出場している岐阜の大本祐槻にスポットを当てたいと思います。

 第911回のコラムでもご紹介した大本ですが、その頃は開幕戦直後であり、まだ期待のルーキーという位置付けでした。ただ、それから5ヶ月近くが経った今では、前述したようにリーグ戦の全試合に起用されるなど、完全にチームの主力選手に成長。本人も「自分は大卒1年目とかまったくプロの世界では関係ないと思いますし、やっぱり責任感も開幕の頃の倍以上あります」とその自覚もしっかりと持ち合わせているようです。

 中でもその大きな特徴は「野洲高時代にいろいろなドリブルの形の練習があって、それが好きで野洲高校に入学したので、タイミングを外したり、一気にスピードを上げて剥がしたり、細かい技もしっかり学びました」と語る独特なリズムを刻むドリブル。「自分から仕掛ける体勢があれば、ドリブルも通用する場面も多いので、自分のやれる部分というのはもうハッキリ見えてきています」と続けたように、そのスピードとドリブルの切れ味がJ2全体の中でも目を引く武器であることは疑いようがありません。

 開幕戦の試合途中以降はサイドバック起用が多かった中で、ここ最近はウイングでの出場が増えていることについて尋ねると、「サイドバックでのプレーを悩み始めているのを大木さんが気付いてくれていて、それでポジションを変えてくれて、自分の気分転換という意味で変えてくれたと思うんですけど、前のポジションになって少しはプレーも良くなったと思いますし、大木さんは自分の特徴を本当に理解してくれていて、相手の状況に応じて自分の使い方もしっかり変えてくれるので、本当に感謝しかないです」と指揮官への感謝の言葉を。「大木さんの練習は自分がうまくなるための練習内容で、真剣に取り組めば取り組むほど自分のプラスになるので、大木さんにしっかり付いていけば間違いないと思いますし、自分が信頼している監督を良い監督と思ってもらうには、やっぱりチームが勝つしかないですよね」と続けるなど、大木監督への信頼は絶大。あとはチーム、個人共に結果を伴わせることが一番だということも十分過ぎるほどに理解している印象も受けた大本が、今後どういう進化を遂げていくのかは非常に楽しみです。

 大本がどのポジションで出場するのかも注目したい今節も好ゲームを期待しつつ、実は町田を率いる相馬直樹監督は、大木監督にとって清水東高校のちょうど10歳年下の後輩という面も考慮して(笑)、ここは“先輩”が意地を見せるという「1」で勝負に出ます!

■地元・京都で再スタートを切った、古都が誇るスピードスター

 前節は上位に付けている徳島相手に圧倒する時間も創りつつ、アウェイから勝ち点1を持ち帰った16位の京都が、3試合ぶりの白星で再び昇格プレーオフ圏内へ浮上した5位の名古屋と西京極で相まみえる今節。この一戦に出場すれば、自身2度目の古巣対決を経験するのが京都の小屋松知哉です。

 古都が誇るスピードスターが最初に脚光を浴びたのは、京都橘高校2年時の高校選手権。今シーズンから再び京都でチームメイトとなった仙頭啓矢との2トップで難敵を相次いで撃破し、初めての決勝進出となったチームを最前線で牽引。最後は鵬翔高にPK戦で敗れ、日本一には一歩届かなかったものの、自身は仙頭と得点王を分け合いつつ、大会優秀選手にも選出。以降はU-18日本代表にも選出されるなど、その圧倒的な走力で世代屈指のストライカーへの道を歩み出します。

 個人的に小屋松の凄さを体感したのは、高校3年時の高円宮杯プレミアリーグ参入戦。チームのキャプテンとしてプレミア昇格に意欲を燃やしていた彼は、勝てば昇格という星稜高戦の同点で迎えた前半25分にハーフウェーライン付近でボールを受けると、一気にとんでもない加速力でドリブル開始。60m近くを独走してゴールを叩き込み、この勝ち越し弾を得た京都橘は4-1で勝利を収め、プレミア昇格を達成します。ただ、このとんでもないゴールにも「久々にああいう形で点が取れたので、自分的にも嬉しかったですね」と涼しい顔。ゴラッソを淡々と振り返る姿に、末恐ろしさを感じたのを強く記憶しています。

 高校卒業後は名古屋に加入した小屋松のJ1デビューは比較的早く、第6節の広島戦がその試合。偶然にも中継で豊田スタジアムを訪れていた私も、デビューの瞬間に立ち会うことができましたが、途中出場からわずか9分で負傷退場。診断結果は左膝前十字靭帯断裂。ルーキーイヤーは結局この9分間しか出場することは叶いませんでした。

 2015年シーズンはスタメンを掴んだ開幕戦でプロ初ゴールを決めるなど、上々のスタートを切り、大幅に出場時間を伸ばしたものの、シーズン終盤にはまたも負傷離脱。翌2016年は残留争いに苦しむチームの中で定位置を確保できず、リーグ戦の出場も6試合のみ。シーズン終了後には京都への完全移籍が発表され、今シーズンからは地元で再スタートを切ることになった訳です。

 勝負の2017年シーズン。第3節で初出場を果たした小屋松は、そこからスタメンに定着し、第6節の千葉戦でゴールを記録すると、以降も主にサイドハーフとして躍動。ここまで田中マルクス闘莉王に続くチーム2位の6ゴールをマークするなど、ようやくそのポテンシャルの一端を披露。前節の徳島戦でもニアサイドに飛び込んで、決定機に絡むシーンもあり、好調を維持していると見て良さそうです。

 そんな小屋松にとって、今節は3シーズンを過ごした古巣との再会。豊田スタジアムに凱旋した第11節のゲームでもフル出場したものの、前半に掴んだ決定機は楢﨑正剛のファインセーブに阻まれ、結果もドロー。不完全燃焼だったことは言うまでもないでしょう。22番を背負ったスピードスターが、地元のスタジアムで古巣を相手に成長した姿を見せ付けるのかにも注目しつつ、ここ最近の両チームのパフォーマンスを考えると、このゲームも1巡目同様にドロー決着の「0」を予想したいと思います。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第24節
2017年7月22日(土)18時キックオフ
FC岐阜vsFC町田ゼルビア(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)

■明治安田生命J2リーグ第24節
2017年7月22日(土)18時キックオフ
京都サンガF.C.vs名古屋グランパス(京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場)

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最終更新:7/21(金) 17:01
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