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なんというハイテクのムダ使い!最新鋭VRシアターで観る『3ねんDぐみ ガラスの仮面』がシュールすぎる件

7/22(土) 12:38配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

■これをVRでやる必要はあったのか……!? ツッコミどころ満載注意です。

初音ミクのコンサートなどでも知られる最新技術で音楽公演から演劇、アニメ、ゲームなどあらゆるイベントをVR対応にしてしまう施設。横浜にある「DMM VR THEATER」は、ホログラフィックによる立体映像に対応した世界初の常設型劇場です。

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3Dメガネ不要の立体映像=ホログラフィックにより、人物やキャラクターが“そこにいる”感覚を再現。「DMM VR THEATER」では、この技術・演出によりVRを融合させたコンサートや演劇などのイベントを連日開催しています。

そこはコンサート会場のようであり、映画館のようでもある多目的ホール。大型LEDやプロジェクターをはじめとした最新鋭の映像設備がスタンバイしており、ひとことで言えばハイテクの結集した施設です。この「DMM VR THEATER」で2017年7月22日(土)より公開されるのが、3Dアニメ『3ねんDぐみ ガラスの仮面~とびだせ私たちのVR(ヴィクトリーロード)~』。

『3ねんDぐみ ガラスの仮面』は、40年以上続く長寿連載漫画『ガラスの仮面』のスピンオフ(!?)として生まれた異色のテレビアニメ(2016年秋に地上波で放送)。3Dのちびキャラになった登場人物たちが繰り広げる、シュールなギャグが持ち味の短編作品ですが、その新作がなぜか最新鋭のVRシアターで公開されることに。

■公開前のゲネプロを見せてもらった

VRでアニメをやるなら、派手なアクションものだとか、未来感たっぷりのSFだとか、もっとこう、いろいろあるだろ!という指摘もごもっとも。『3ねんDぐみ ガラスの仮面』はそれを踏まえつつ、あえてハイテクの無駄使いでシュールさに磨きをかけていく作品みたいなので……。しかし(妙な方向に攻めすぎだけど)その心意気や良し!ということで、今回はゲネプロ(本番前リハーサル)に潜入し『3ねんDぐみ』のVRっぷりを取材してきました。

開演っ。大画面の映像とともにステージでは照明がまたたき、出だしの演出から映画というよりは演劇っぽい!

そしてキャラクターのお芝居。舞台を写すために写真はやや白飛びしていますが、奥の背景と手前にいるキャラが別のレイヤーとして見える、ホログラフィックならではの画が展開されます。

実際にはこんなふうにキャラが見えています。カットごとに見える角度が変わる普通のアニメと違い、常にステージ上にいる登場人物が端から端まで見えているのが不思議。“演劇の舞台に立っている3Dキャラ”を見ている感覚です。

見せ場では、キャラクターに照明のスポットライトが直接当てられます。

中央の画面だけでなく、左右にあるスクリーンも活用しています。このスクリーンは場面ごとに役割が異なり、このように背景の絵をワイドに表現したり、人物名のテロップを出したり……

ステージ上は“引き”の画が続くので、スクリーンに表情などのアップを映したり。かなり多様な演出に対応できますね。あぁ……おそろしい舞台(こ)……!

今回のゲネプロでは、映像と音の調整のほか舞台上のスモーク(煙)を出す量やタイミングの入念な打ち合わせがされていました。まさに普通のアニメ上映ではありえない、コンサートや「4DX」の劇場のような演出。スタッフのみなさんがこだわればこだわるほど作品が(斜め上の方向に)磨き上げられていくのがわかり、なかなか痛快な現場です。

■ホログラフィック映像は意外と原始的な仕掛けでできている

このシアター最大の特徴となっているのがホログラフィック映像です。しかし3Dメガネを使わず、どうやってお客さんに立体的な映像が見えるのか? 原理は意外にも古くから存在する舞台装置の応用でした。

ステージに立つキャラクターの映像は、実は真下にあるLEDディスプレイパネル(液晶テレビのようなもの)が表示したもの。これが上の鏡に映っているんです。この鏡は半分透けているハーフミラーで、ステージ奥にある背景の映像が重なって見える(上図の「実際の結像位置」)というわけ。

ステージ上にいない人物を、あたかも存在するかのように映し出す技術。これは「ペッパーズ・ゴースト原理」と呼ばれ、1800年代という大昔から舞台演劇などで用いられているものなんだとか。意外とシンプルな仕掛けですが、これはタネを聞かないと簡単には気づかないようにできていますね。

作品の上映中、座席からは鏡の仕掛けを確認することはできません。そこで取材時はステージに乗り出して覗かせてもらいましたが……確かに、真下の低~い位置にありましたよ! ディスプレイが。

ちなみにこちらのシアター、「VR」を名乗るだけあって立体的な音響にもこだわりが。9.1chマルチサラウンドシステムにより、劇場内を縦横無尽に駆けめぐる音が楽しめます。

■「応援上映」や「2.5次元」にも通じる新しさ

『3ねんDぐみ ガラスの仮面』公演は、チケットの価格こそ通常の映画と比較すると高く感じるかもしれませんが、作品のファンの集まる“場”としては面白そう。単なるアニメ映画と違った“得体の知れなさ”は、最近流行りの「応援上映」や「2.5次元」ミュージカルに通じる部分もあります。

しかし映像といい音といい、正直この作品では使い切れないテクノロジーが満載の施設でした。個人的には今後、これらのハイテクをフル活用したヒーローショーが見てみたい!

【『3ねんDぐみ ガラスの仮面~とびだせ私たちのVR(ヴィクトリーロード)~』公演概要】
公演期間:2017年7月22日(土)~9月3日(日)
公演日程:7月22日~28日、8月7日~10日、14日~16日、21日~24日、9月1日~3日
公演回数:平日1公演、土日3公演、計29公演
チケット:前売り3000円/当日3500円 ※別途ドリンク代500円が必要です
会場:DMM VR THEATER(神奈川県横浜市西区南幸2丁目1-5)

取材・文/柳 雄大

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