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猫人気の背景に“お魚くわえたドラ猫”がいなくなった時代

7/22(土) 11:00配信

デイリースポーツ

 夏といえば、一昔前は「怪談」がつきものだった。怖い話に登場する動物の代表格は猫。“化け猫”や“怪猫”であり、楳図かずお氏の漫画などでも描かれてきた。ところが、今や猫はペットの中でも人間に最も身近な“家族”と認識されている。この夏、怪談でなく、「猫がいる生活」の背景を探ってみた。

【写真】本物の鯉をくわえた『怪異 有馬猫』とは?

 今年出た「家にゃん~猫とじゃれあう おうち時間」という書籍に人気猫投稿サイト「アイシアにゃんちゅーぶ(以下、にゃんちゅーぶ)」から200匹以上のカラー写真が掲載された。「寝顔&寝相」「萌えしぐさ&ポーズ」といったテーマに分けられ、飼い主がスマホなどで撮った猫の表情やしぐさが愛らしい。写真の提供元である「にゃんちゅーぶ」事務局の茂出木謙太郎氏にうかがった。

 「にゃんちゅーぶ」のウェブサイト立ち上げは2010年頃。茂出木氏は「フェイスブックページの『いいね!』が5万1000人。『~ちゅーぶ』というくらいで、元々は動画を募集したが、猫は大人になるとゴロゴロしているだけで、動画だと無駄に長尺になる。でも写真だと寝てる姿だけで楽しい。それで写真と動画の両方があり、今回は書籍化する前提で飼い主さんから写真をご投稿いただいた」と経緯を語る。

 一般社団法人ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」によると、2016年は犬が987万8000頭、猫が984万7000頭。犬は保健所に登録するので正確な数が分かるが、日本の猫は登録制でないので正確な頭数が分からず、エサの消費量などで推定する。昨年、初めて1000万頭を切った犬は減少傾向で、猫はほぼ横ばいだが、いずれは逆転も予想される。

 茂出木氏はこう分析した。「犬は散歩に連れていかないといけないが、猫はその必要がなく、世話もかからない。人間ぽいというか、自分の世界観があって、始終、人間に遊んでもらいたいとは思っていない。そんな大人の付き合いや、いい感じの距離感がある」

 その背景には、アニメ版「サザエさん」のオープニング曲でおなじみの“お魚くわえたドラ猫”が街から消えた時代性もある。

 「猫の立ち位置も変わった。かつての“化け猫”が、“ドラえもん”とか、かわいがられる対象になった。今、『猫が怖い』という若い人はあまりいない気がするが、年配の人では猫嫌いもおられる。鼠を食べたり、ゴミ箱をあさっている様子が嫌われる要因だったが、野良猫もいなくなって、そういうシーンを見ない。“お魚くわえたドラ猫”は若い人にはビジュアル的に浮かばないのだと思います」(茂出木氏)

 猫から人の世の移り変わりも見えてくる。

(デイリースポーツ・北村泰介)