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野球王国の一戦再び 夏41年ぶり習志野×銚子商 高校野球千葉大会

7/22(土) 10:21配信

千葉日報オンライン

 「特別だ」「昔を思い出す」-。第99回全国高校野球選手権千葉大会の5回戦が21日に行われ、千葉市美浜区のZOZOマリンスタジアムでは1960、70年代に甲子園優勝を果たし野球王国千葉の一時代を築いた習志野と銚子商が、夏の大会では76年の準決勝以来41年ぶりに対戦した。久々に実現した名門対決に、平日では異例の約6千人の観客がスタンドを埋めて熱いまなざしを送った。

 夏の甲子園に8度出場し2度優勝している習志野と、12度出場し1度の全国制覇を果たしている銚子商の顔合わせ。開門前から多くの人が集まり、入場券売り場には約500メートルの列ができた。午前3時に到着し、一番乗りした習志野OGで習志野市の40代の会社員女性は「昔からの伝統の一戦で特別。いつもより1時間ちょっと早めに来た」。

 入場券は20分繰り上げて午前7時25分から販売され、駐車場は同50分ごろには球場に隣接する約500台分が満車になった。

 午前8時45分の試合開始時には1階席が埋まり、2階席も開放された。県高野連によると、19日は3試合合わせて約8千人の観客だったが、この日は第1試合だけで約6千人が来場。球場主任は「平日にしてはかなり多くの客」と話す。

 1974年に銚子商が、翌75年には習志野が日本一に輝き、しのぎを削った歴史を持つ両校。見守った卒業生は応援に力が入り、胸を熱くした。

 銚子商の卒業生でつくる「東京銚商会」の船橋市の主婦、若林孝子さん(75)は「(習志野のチームカラー)小豆の色を見るだけで嫌。夏の対戦ではうちが6勝2敗。だから習志野だって、うちを破らなきゃ意気が上がらない」とライバル心。一方、習志野野球部OB会理事長の習志野市の飲食店経営、池田博さん(57)は「僕らの時は銚子商に勝てなきゃ、甲子園にいけない(という感覚)があった。最近、銚子商は元気がなかった。ライバルが元気ないのは寂しい。上の方で戦えてうれしい」と目尻を下げた。

 両校は85年にも準々決勝で顔を合わせたが、習志野が不祥事で試合前に出場辞退し、銚子商の不戦勝となっていた。当時、習志野3年でバレー部だった柏市の会社員、松尾弘尉さん(49)は野球部だった友人から「因縁の対決」とのメールを受け取ってバックネット裏最前列で観戦。「有給休暇を取って来た。感慨深い。死ぬまでに1回は見たかった」

 「両校が強かった昔を思い出す。オールドファンはわくわくする」と笑ったのは千葉市稲毛区のパート、秋山博さん(64)。社会人野球の川崎製鉄千葉(現JFE東日本)でプレーし、定年退職後はスコアブックを手に県内の球児を見守っている。「最近は私立勢が強い。公立で頑張っていると力を見せつけてほしい」と両校にエールを送った。

 試合は習志野が8-1で大勝した。それでも、銚子商は5年ぶりに夏の勝利を挙げて、9年ぶりに16強に進んで存在感を示した。野球部OB会長で銚子市の飲食店経営、篠塚和男さん(65)は「今はずっと上だが、習志野は永遠のライバル。勝ち上がると、町全体が盛り上がる。だんだん復活しなければ」と願った。