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《ブラジル》事業成功の秘訣は夫婦仲 =ブラジル倫理の会、大熊富夫さん講演

7/22(土) 6:04配信

ニッケイ新聞

 「事業成功の秘訣は家庭にあり。『深願』の最たるものは母」―。ブラジル倫理の会(須郷清孝会長)は、一般社団法人倫理研究所法人アドバイザーの大熊富夫さん=米国ハワイ在住=を招聘し、講演会『夢を実現した男』を8日午前8時半からサンパウロ市のニッケイパラセホテルで行なった。ユーモラスな大熊さんの人生談に、会員ら40人が深く聞き入った。

 「中学を卒業したら働け」―。体が弱く、学校の成績も悪かった大熊少年は、4人兄弟のうち一人だけ、日本橋の小さな御茶屋で住み込みの仕事に出された。弱冠15歳。波乱の人生の幕開けだった。

 そこへ向う車中、父親は「億万長者になってみないか。学問ではなく知恵だ」と背中を押した。一人だけ厳しい環境に送られたのは、その分、期待されていたからだと、父の死後に知った。

 闇雲に取り組んだ事業でいったんは成功するも、30歳の頃、一年で5千万円もの損失を出し苦境に立たされた。損失を埋めるために、自宅を売却したが、それが原因で妻からは離婚を言い渡される。そこで大熊さんが出会ったのが、倫理だった―。

 「会社経営難の原因をたどると、実はその大半は社長の家庭にある。だから事業経営の分母が、家庭経営。世の中に問題を起こす青少年がいるとすれば、それは親の夫婦仲が震源地。夫婦仲を良くすることが、世の中を良くすることに繋がる」との教えに触れ、心を入れ替えた。「倫理を学んでから全てが上手くいくようになった」という。

 「家庭経営に必要なのは何と言っても我慢。50年間我慢してこそ『道』といえる」と断言した。夫婦仲を例に「20代は愛、30代は努力、40代は我慢、50代は諦め、60代でようやく感謝の関係になる」と会場の笑いを誘った。

 「父母の願い、深願が脈々と自分の血のなかに受継がれている。祖先の愛情を一身に受けて、私たちは今を生きている。だからこそ働かずにおられない。人のお役に立たずにいられない」と語り、「お父さん、お母さん、ありがとうございます」と締め括ると、大きな拍手がわいた。

 講演を聴いた西田名島マリコ・キミコさん(二世、64)は、「当地では家庭に問題があり、それゆえに子供が犠牲となる悪循環が繰り返されている」と感じている。「家庭が国家の基盤。その大切さを説くのが倫理の良さ。とても素晴らしい講演だったわ」と笑みを浮かべ、松柏・大志万に通う娘について触れ、「日本とブラジルの素晴らしいところを吸収し育って欲しい」と願いを込めた。

最終更新:7/22(土) 6:04
ニッケイ新聞